縄文時代~弥生時代~大王の時代・・・中学校教科書「歴史」(東書)

 

福田型銅鐸(木の宗山出土青銅器)を調査中。

採択が一番多い中学校教科書「歴史」(東書)には、縄文時代~弥生時代~大王の時代はどのように記述されているのか?

現在使用されている(広島市)教科書を一部紹介します。

2025年3月まで使用。

弥生時代の始まりを「紀元前4世紀ごろ」と記述する。

「稲作とともに、青銅器や鉄器などの金属器も伝わりました」

「もとは武器として使われていた銅剣や銅矛も、銅鏡や銅鐸と同じように、おもに祭りのための宝物として用いられました」

 

2025年4月から使用される(秋までに採択される)教科書。

現在使用されている教科書は3ページ。

今回は少なくなっている?

では、「弥生時代」は?

ページとしては、左側が「日本列島の誕生と縄文文化」、右側が、「弥生文化の成立」。

下がそのページ。

何と、4年前と同じ。

2020年採択で、2021年4月~2025年3月の使用となっている。

とすると、記述(草稿)は2019年だろう。

或いは、それ以前かもしれない。

2029年まで使用されるとすれば(途中、改訂がなければ)、生徒は10年以上前の学問研究、到達点のままということになる。

 

ここからは随分と変わっている。

現在使用されている教科書には金印「(漢委(倭)奴国王」(かんのなのこくおう)が使われているが、今回はない。

なぜ消えたのだろう。

※昔、志賀島に立ち寄って「金印」(レプリカ)を見たことがある。

「ワカタケル大王(武)の名を刻んだ鉄剣」は今回も使われている。

「大仙古墳」「前方後円墳の分布とはにわ」は今回も使用されているが、「構造」は新規。その分、写真が二枚消えた。

 

教科書は、その時の学問研究、その到達点に基づいて記述されるものと思っているが、実はそうとも言えない。

「弥生時代の始まりは紀元前4世紀ごろ」という学説は古くなっています。

東書以外の教科書の中には「紀元前5世紀ごろ」と表記しているものもある。

本文外で「紀元前10世紀までさかのぼる(趣旨)」という表記が登場する教科書もある。

 

※文科省検定教科書の閲覧は5月15日から始まったようです。一般市民向けには、全国で8か所、中国・四国地方では、広島県立図書館で行われています。

インスタグラムをされている方は、#広島県立図書館 で検索すると案内が投稿されています。

各学校を巡回します。また広島市教育センターでも閲覧できます。(昔は)

これは教員向けなので、市民は閲覧できないと思います。

九州では佐賀県庁。