「ちきゅう座」より転載。

2023年4月15日ー原発にアデュー!ドイツの脱原発がやっと完了

<グローガー理恵:ドイツ在住>

       我々は連帯して勝ち取った (Gemeinsam gewonnen)

 

50年の反核運動 (50 Jahre Anti-Atom- Bewegung)

[Source:  ドイツ反核市民団体 ”.ausgestrahlt”]

2023年4月15日、ドイツで稼働中だった最後の3基の原子炉 ー バイエルン州のイザール原発の原子炉II、バーデン=ヴュルテンベルク州のネッカーヴェストハイム原発の原子炉II、ニーダーザクセン州のエムスラント原発 ー が永久停止され、送電網から外された。これによって、ドイツでは63年ぶりに原子力発電の時代に終わりを告げる。

この歴史的な脱原発完了の裏には、過去50年間、雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けず、反核運動のために、ねばり強く、忍耐強く、頑強に闘ってきた、ドイツ市民団体の尊い姿があることを私たちは忘れてはならない。

 

しかし、原発時代の終わりを祝っているばかりではいられない。 不道徳な原子力は、すでに原発が閉鎖され廃炉作業が始まっているドイツの原発においても、難題を起こしているからだ。まず第一の難題は廃炉作業が完了するまで、いったいどのぐらいの年月がかかるのか、まったく見当がつかないことである。さらに、最大の差し迫った難題は廃炉のプロセスから産み出される多量の危険な核廃棄物をどこに貯蔵してよいのか、まったくわからないことである。

シュテフィ・レムケ独環境大臣は、核廃棄物問題に言及し、こう述べている:

 

「私たちは、ほぼ3世代にわたり原子力発電を利用してきたことにより、核廃棄物を産出してきました。これらの核廃棄物は今後3万世代にわたって危険をもたらし続けます。私たちは、この責任を私たちの孫、ひい孫、さらにあと何世代もにわたって、引き継がせているのです。」

 

ドイツばかりでなく、原発のあるどの国においても、核廃棄物貯蔵所のサーチは終結をみない難題となることは確実であり、これが原子力利用がもたらす過酷な現実なのである。

 

以上

 

参考記事:

https://www.ausgestrahlt.de/aktiv-werden/gemeinsam/#img

https://www.mdr.de/nachrichten/deutschland/atomkraft-ausstieg-akw-abgeschaltet-aus-100.html

https://www.wiwo.de/politik/deutschland/historischer-tag-deutschland-beendet-atomkraft-aera-letzte-akw-abgeschaltet/29096612.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5052:230418〕

 

以上、転載。

 

日本は?

岸田首相が突然、国会(もちろん党内でも)で論議することなく、原発の稼働期間の延長などを決めた。あの福島の原発事故の反省もせずに、だ。

廃棄物もたまる一方だ。

メルケル首相(当時)が脱原発、原発廃止の演説の中で、日本の原発事故に言及していた。