クラウド化する世界
余談。
今回紹介するのは、「クラウド化する世界」の中の一部。
内容は次世代ITの話。その中で、電気利用を標準化にいたるプロセスが対比的表現してある。
内容はアメリカで どーでもよい日記
さんに要約が載っています。
その中で興味を引いたのが、エジソン
。
エジソンがやったことは何か。
それは、電球を1000回も失敗しながらも、周りにバカにされながらも創ることに成功した。
って人じゃなかったってこと。
「電気利用の民主化が商業と社会にもたらした影響は、計り知れないほど大きい。伝統は生活のリズムを変え、電化された組み立てラインは産業と仕事の意味を再定義し、そして電化製品は家庭に産業革命をもたらした。安価で豊富な電力が、今日の世界を形作ったのだ。それは、ほんの百年前には存在しなかった世界である。わずか数世代が経験しただけなのに、その変化は大きく複雑なので、電気が壁のソケットから流れ出る以前の生活など、ほとんど想像できないほどだ。」
実は、産業革命をさらに飛躍させた、“電気の利用を標準化”の基本プレートを作った人物がエジソン、その人。
では、その基本プレートはどんなイメージから創られてきたのか。
それが、ここでお伝えしたい部分。
「盆用の発明者と違って、エジソンは個別的に創造することはなかった。彼が造ったのは、システム全体だった。最初に全体を想像し、次に必要な部分を造り、それらの部分を継ぎ目なく適合させた。エジソンは後に「ランプが光り、発電機が電流を創りだすことだけが必要なのではない」と、ユーティリティーとして電力を供給する計画に関して書いている。「ランプは発電機の電流に適合していなければならないし、発電機はランプが必要とする性質の電流を供給できるように創らなければならない。そして同様に、システムを構成する全ての要素は、相互に関連付けて構築しなければならない。それゆえ、全ての部品は一つの機械(ワンマシン)を形作っているともいえる。」」
部分を作りながら、その蓄積で全体が生まれていったわけではない。
まず初めに、全体像がはっきりしていた。
つまり、明日への一歩から始めてはいなかったのだ。
戻るべき場所があったからこそ
、たとえ失敗の連続のようであっても、自分が何をやっているのかを見失うことがなかったのだろうと思う。
エジソンには、人の生活や人生を変えることの動機とその成果
の具体的イメージがあった。だからこそ、一つの組織を超えた、ワンマシンを作り上げることが出来た。
そのワンマシンの中には、強力なマーケティングやパフォーマンスにより、機会と能力と意欲
を創出していった。
それまでガス灯しかなかった時代に、電灯を設置し、一斉に点灯させたのだ。
そこで生まれた機会と能力と意欲は、新しい未来を予感させるには十分だったに違いない。
この本の最後では、今の経済の方向性について、警鐘を鳴らしている。
「ネットワーク化されたコンピューターの機能と有効性が進化して、ソフトウェア機能も拡大しただけでなく、新ビジネスの隆盛によって、企業が従業員を必要とする機会はますます減っている。この「社会的生産」(Social Production)と呼ばれる現象は、特にメディア、娯楽、ソフトウェアの各業界の経済を再構築している。社会的生産は実質的に、多くの「柔軟性や創造力、全般的な問題解決能力や、複雑なコミュニケーション能力を必要とする、非定型の認識作業」が、無報酬で行われる状況を許している。」
スティーブ・ジョブズ
の言葉が思い浮かぶ。
「模倣する方が楽しいかもしれない。でも、そんな事をしても世界は良くならないんだ。」
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クラウド化する世界
著者:Nichoklas G Carr
訳者:村上彩
翔泳社
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