なぜ自己評価が必要なのか
◆明日成果を得るために、今日何をするのか
この章はとても深い。
全ての文が意味深な世界を想像させる。
行動は計画によって生まれるものであり、その計画は今この瞬間に決定するものであり、未来にその決定を延ばすものではない。
「明日成果を得るために、今日何をするのかである。」
なんと、まぁ耳の痛い言葉なんだと、思ってしまう。
強いリンゴを創るのならば、土を創ること。
朝食で炊きたての米を食べたいのであれば、夜のうちにタイマーをかけて準備しておくこと。
考えてみれば当たり前のことなんだがね。(--;)
計画はころころ変わるものではない。
強みは強化し、成果の出ないものはさっさと捨てること、そのプロセスを計画という。
使えないものに執着して、振り回されてはいないだろうか。
それは、機器であったり、情報であったり、才能であったり、他人であったりする。
しかし、捨てるというのは実はその存在そのものというよりも、自らの観点や観方なのだ。
自らの観点や観方が固定されていれば、新しい機器を導入しても、人事に変化をつけたとしても、結果は同じだ。
今の企業でいえば、今までの成功パターンに執着し、社内のコミュニケーションは停滞し、世代間での価値観のギャップは大きく、管理職含め社員という資源の開発・開拓には全く手をつけることが出来ていない。
誰もが人生の計画を持っていない。会社という存在が人生にとって何の意味も価値も持たなくなっている。これを危機だと思えなければ、生きる意味も価値も見失ってしまうことになる。
目標は明確に測ることが出来るものであり、データの蓄積やパターンの分析など振り返ることが出来る情報によって、評価をする。成果を果たすべき行動が、本当に成果を果たすことが出来るのか。
そして、状況に応じて、調整可能な柔らかさは必要。その調整も、計画のプロセスの内に入る。
つまりは、一貫性を持ちながら、それでいて柔軟な柔らかさを持っているプロセスが計画というわけだ。一貫性だけでは計画を遂行することが目的になってしまう。柔軟さだけでは、測定することが出来ない。そのバランスをどこで取ればいいのか、この章はそれを教えてくれる。
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「経営者に贈る5つの質問」
著者:P・F・ドラッカー
発行所:ダイヤモンド社
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