今日は「将棋」ネタです。
「ブームはなぜ起きるのか」、
「人を育てるとは」といった
テーマなので
将棋に興味のない方ほど
お読みいただきたいです。
何しろ、数か月前、
将棋にまったく興味のなかった
うちのカミさんが
昨日の名人戦挑戦者決定戦の対局を
夜な夜な「研究」しているのです。
あの手はどうの、この手はどうの、、って。
駒の動かし方しか知らない彼女が
「面白い!」っていうのです。
何が、どうしてそうなったか?
いったい「何がそうさせているのか」
●ブームは一人ではつくれない
中学生棋士、藤井聡太六段の活躍で
昨年からまた新しいブームが来ています。
ただこのブームは1人の人間が
引き起こしたのではなく、
大勢の先輩たちが準備した「道」が
あって「花」が開いたものだそうです。
元々、「勝負事」でアウトロー的な要素が強く、
「プロの棋士の方って対局のない日は
何をされているのですか」なんて質問をされたり。
(もちろん「研究」と「普及」と「休息」です)
内弟子になり、学業も捨て、
「強ければよい」という世界が、
谷川九段、羽生竜王といった
爽やかさと強さを備えた中学生棋士が登場することで
「お母さん」たちの心をつかんできました。
そして持病のため、幼少の時分から
「30歳までしか生きられない」という
「事実を受け止め」
「覚悟を決め」
全身全霊で将棋に打ち込んだ村山九段。
真剣に将棋を指そうとしたら、
想像を絶するほど体力を消耗します。
街の将棋クラブでも「負けたくない気持ち」で
当たっていくと、1時間に満たない対局で
とんでもないカロリーを消費します。
クラブに通うまでは真剣に対局することが
こんなに気力と体力を消耗するものとは
想像もしていませんでした。
●ブームの概要
一連の「将棋ブーム」。
数年前から「人間の英知」対「人工知能」。
得られた結論は「人工知能が進んでも、
プロ棋士という職業はなくならない」。
実際にソフトを使ってみても同感です。
ネットの向こうにいる人と指しているときと
ソフトと指している時では
同じ画面越しで、顔が見えない相手でも
「流れる時間」が違うのです。
人間と機械では「流れる時間の質が違う」のです。
このことはまたいつか深く掘り下げてみようと思います。
「対局中に席をはずしてアプリを使っているのでは?」
スポーツの世界でいうドーピングですね。
大きな騒ぎになりました。
棋士の世界は小学生の頃から
「大好きな将棋」でつながり、
切磋琢磨を繰り返してきた人の集まりです。
30代前半から40代後半の第一線で活躍している
世代の方々は200人に満たない狭い世界で
20年近く顔を合わせています。
自分たちがコミュニティの仲間を信じていても
「世間」が許さないこともあるのです。
「あのアプリと似ているじゃん。
対局中にあんなに席を外して。
トイレっていってるけど、トイレで何しているんだ?」
悪い意味で注目を集めました。
同じころ、村山追贈九段の映画が「聖の青春」、
半年後に将棋をテーマにした映画、
「3月のライオン」と映画が立て続けに公開。
そして最初の中学生棋士の加藤一二三九段の引退と
藤井六段の快進撃の始まり。
●地元
将棋の世界では藤井六段の地元名古屋は
少し異色だそうです。
人口の割りにプロの棋士が少なく、
連盟の「指導員」の資格をもった人が多い。
これは若くして亡くなられた板谷進九段が
「自分の命と引き換えに」
「普及に力を注いだ」から。
現役の棋士として東京、大阪と往復しながら、
手弁当でイベントを開催。
「男の世界」である将棋クラブを
「女性にも気軽に参加できるような場」づくりに
励んだそうです。
そして相当無理をしていたようです。
実際に将棋を指さない方には
感覚がつかみにくいのですが、
将棋というゲームは、気力、体力の消耗が激しく
才能の前に努力と情熱が要求されます。
もし、「自分が強くなる」だけでしたら、
「東京に引っ越す」「大阪に引っ越す」が正解です。
特にネットのない時代でしたので、
最新の棋譜(対局情報)や研鑽を積む相手(ライバル)は
圧倒的に「都市」に集中するからです。
「自分が強くなり」ことと
「好きなことを普及させる」を
同時に達成させる。
コミュニティの仲間から尊敬されないわけがありません。
●そして藤井六段
「好き」と「努力」と「才能」、そして「ご縁」。
師匠の杉本七段の大盤解説(実際の対局を
会場別室で解説する)に参加したことがあります。
とんでもない才能を託された凡人。
凡人といっても第一線で活躍され、
それなりに実績をあげられている方です。
「才能を開花させる責任」。
小学生の時に既にプロ棋士参加の詰将棋コンテストで
3年連続優勝。
3年目はプロ棋士相手に「ぶっちぎり」で優勝。
注目されない理由がありません。
「才能を託される」という重圧。
ご自身も師匠(棋士の世界での「保証人」)から
「一門の中で頂点に立つ」と期待されながら
存命中に果たせなかった想い。
才能がありながら別の道を選んだ弟子。
あと1勝ができなくてプロになれなかった弟子。
あまり紹介するとネタバレになってしまいますので
こちらの書籍、ご一読をお勧めします。
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