さて、前々回からの、下記の図(△ABCは二等辺三角形)で あ の角度を求める問題ですが、
前回は、あるご家庭のお父様が四苦八苦されていましたね(笑)。
お母様のご指摘、「外角の定理も相似も中学校で習うもの!小学生には無理なのではないか」ということについて述べさせていただきます。
外角の定理の考え方は、
実は、小学 5 年生で学習しているのです。
東京書籍発行の「新しい算数 小5下」の4ページに次のような問題がのっています。
外角や外角と定理という用語は載っていませんが、「三角形の内角(内側の角)の和が180°であること」とは習いますし、「三角形の隣り合う内角と外角の和が180°」であることは見て気付きますね。(直線になりますから。) う の角度(角の大きさ)は、105°になります。
相似の方も、6年生で「形が同じで大きさが違う図形」の特徴を発見させる指導を行っています。
というわけで、小学生でも解けます。但し、「知っているから」できるのではなく、考え方に「気付いて」解けるのです。
小学生の段階では、定理や公式を教える、暗記させるというよりは、そういう原理原則、考え方を発見させる指導をしているのですね。これはとても重要なことです。
つまり、小学校指導の要諦は、「考え方に気付かせる」「気付いたことがらを類題演習によって、そのことに対する認識を深めさせる」というところにあるのです。
人間の成長というか、頭脳を鍛える上でとても重大なことをやっているのが小学生の段階なのです。
従って、「教科学習は中学生になってからやればよい」は大変な誤りです。
小学生のうちに、「考え方に気付く」「それで知った解法への認識を深める」ことは、実は、学力だけでなく、意欲も育みます。
なぜなら、解けるということは、自信に繋がるからです。
怖いのは学力の差より、この自信の有る無しの差なのです。
それは、生きていく上での意欲の有る無しにも繋がるため怖いのです。
小学生のうちに、算数国語理科社会でいろいろな問題に取り組み、いろんな考え方に気付き、知識を深めておきましょう。
何より、小学生の方が頭が柔軟ですから。この時期に、しっかりと学習することはとても大切なのです。
(お父さんのフォローには全然なっていませんね(笑))