さてやや旬を過ぎた感も有りますが、最近発行されたこんな本も読んでみました。
バブル期に学生時代を過ごし、就職が楽だった事を除くと大したメリットを受けられなかった私ですが、というのもバブルの頃って物価は上がってまあ確かにバイト代もそれなりに上がったのですが、地方から上京した貧乏学生には無縁の世界でした。むしろ周りの金持ちが目に付くのでより悲壮感を味合わさせられました。だから平成不況の最初の10年は、清貧の時代とか言われましたがむしろ心地よく感じたものです。
そんなバブル世代最終ランナーの私にとって、このプラザ合意から現在に至るまでの日本経済の浮き沈み、そしてそれは同時に通貨である円の浮き沈みとも密接に関係する訳ですが(とは言ってもかならずしも1対1で対応する訳でもないところが経済学の面白いところなのでしょうか)、その近代史を非常に的確にまとめ上げられていて読む価値高いです。
同時にやはり懐かしいなという感慨も持ちました。そうそうあの頃はそうだったと言いたくなるシーンがしばしば登場します。著者は日経新聞の記者でニューヨーク特派員などの経歴を持ち、日米の経済要人に直接取材した経歴の持ち主なので書いている事は全くもってまともな内容。それにしても最近の日経は経済部門で疑問を呈する記事が多いのはなぜなのでしょうか?
読んでみて納得せざるを得なかったのは、日本の経済関連の官僚はその時その時で考えられ得る最も適切な処置を取っていたのだなという事です。むしろ問題は政治家の方で、やはり日本の政治家に本来の意味での学が無いのが本当に問題です。特に文系の大学では勉強しない人が多いので。そしてその政治家を選んだのは誰かという事になるのです。
それにしてもかつてはよく「安全な通貨」と言われた円がどうしてここまで弱くなったのか?その安全性の正体は必要以上の低金利政策を続けた事に有ると見るべきでしょう。最近はあの「弱い日本の強い円」の著者でさえ、円の弱さを認めているくらいですから。
ともあれ我々に出来る事は大した事ではなくて、こういう状況をきちんと理解しながら自分の資産を防衛するだけなのですが。
それにしても改めて思ったのは(故人に鞭打つつもりは無いのですが)アベノミクスは全体としては失敗だったという事です。確かに初期においては停滞していた日本の金融市場を流動化させたとかの効果は認めるとしてもです。もちろんその原因は第3の矢(規制緩和)を放てなかった事に有ります。これこそまさに継承者がやらねばならない事です。
日本の現首相は確かアベノミクスを継承すると言っていたはずですが。


