先日宣言?した様にしばらくの間また手元に残すかどうかが決まってない本はいったん図書館で借りて読んで、良かったら応援消費&もし著者との交流会が有ったらサインでも頂けたらなあなどと思っています。なのでその場合の購買方法はKindleなどの電子書籍ではなくて紙媒体となりますね。
それはそうとあのまるでAIに書かせた作品で芥川賞を奪い取ったかの様な巧妙なコメントしたこの作家による作品、
時期的には芥川賞作品より前に書かれたのでしょうか?しかしこれまたとにかく面白かったです。なので購入は決定。早く著者のサイン会に行きたいと思ってしまっていますw
感想としてまずは相変わらず新鮮でした。引用した芥川賞受賞作の東京同情塔に勝るとも劣らない作品です。
著者は競馬に造詣が深いのでしょうか?もしそうでないとしたらこの想像力は信じられない。いやそうだとしても驚異的です。
馬の名前の制限が一文字だけ多くなったらどうなる?そもそもサラブレッドは人間によって作られた遺伝子操作の賜物、だったらそれを人間に応用するのは不道徳なのか?
ストーリーの序盤ではそんな話が主題なのだろうかと思わされます。しかしそこから話はかなり広大な範囲に広がります。もっともそれを理解するためには多少は理系文系の垣根を通り越した知識が必要かもしれません。世界史や人類史、生物学史など。簡単に予備知識を得るなら著者のお気に入りらしいユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」や「ホモデウス」を読むのが近道です(*)
さてその前提条件を提示した上で本書の感想に戻ると、一言で言うならノーベル賞作家であるカズオ・イシグロとも通ずる世界が展開されているのに惹き込まれました。カズオ・イシグロについても過去記事で何度も書いたのでもうリンク貼付けはやめますが、あの世界がむしろ今の若い人の視線で書かれていてさらなる期待が高まったのです。
というのも上で引用した「東京同情塔」は既に海外出版が決まっています。あの日本語を大切にした思想の上に建つ作品を海外で出版とは面白いと同時に信じられない部分も有ります。本当に適切な訳が出来るのだろうか?とりあえずもうしばらくしたら発売される予定の英語版は手に入れる予定です。
それにしても作者の九段理恵さん、もしかしてホモデウスの最初期形態ではないでしょうかw?いや冗談でなく本当にそう思います。
【追記】
そうそうここまで書いて肝心な事を書くのを忘れるところでした。この作品はフィクションです。
老婆心ながら念のためw
(*)
いや知ってますよ。ユヴァル・ノア・ハラリの書が難しくて読めなかったという人が多いってのは。まあそんな人のために最近は漫画版も有るらしいのでそちらでもいいかなと思います。
とは言ってもあの程度が読めないのは問題です。