【映画評】ボヘミアンラプソディ | Do More with Less

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メインタイトルは尊敬するCG創設者の故小林彰太郎さんの書から引用しました

公開直後に観たかった映画。ようやく3連休の初日に鑑賞出来ました。
 
今さら感想を書くまでもなく、皆さんが本当に感動した、素晴らしい、特に映画館で撮った画像にも書かれている「ラスト21分」のライブエイドの再現がとてもとても感動モノ。それだけで泣ける映画です。
 
正直なところ私はフレディ・マーキュリーやQueenはそれ程好きだった訳ではなくむしろ敬遠してた。80年代ってロックにとってはろくな時代じゃなくて、ストーンズは常に解散の危機に有り(遅かれ早かれそうなると思っていた)、クラプトンは酒と麻薬に溺れて自滅状態。ジョンレノンは暗殺されポール・マッカトニーは日本に大麻持ち込んで逮捕とか。
 
そんな時代に今振り返るとこの頃からだろう、ロックミュージシャンが正しい事を始めた。政治的発言をしたり、政治的メッセージを詩ににて世界にアピールしたり。その象徴がライブエイド、つまりボブ・ゲルドフが始めたアフリカの飢餓を救おうというアクション。1984年の「Do they know it's Christmas」から翌年の夏に行われたこのイベントまで。今で言うなら世界初のポリティカル・コレクトネスが試されていた。
 
しかしQueenってそういうのには背を向けていて(だから私は敬遠してた)、人種差別政策を取っていた南アフリカでも平気でコンサートやったりなど、けしからんとさえ思っていた。しかもフロントマン(いや映画でもそういうシーンが有ったが、彼の信条としてリード・シンガーと書くべきか)が同性愛者でAIDS。
 
当時はこのAIDSという不治の重病と同性愛が結び付けられていたので、日本ではもちろん先進国でも偏見が多かった。私自身もそんな偏見を持っていた。この事は忘れてはならないと思う(*)。
 
ところがそんなならず者と言われてもおかしくない様な連中が、ライブエイドなどとういい子ちゃんのイベントに出演して、周りの空気も読まずに自分達が伝えたいメッセージだけを選んでパフォーマンス。それがかえって受けた。そうそう思いだしたよ。ボブ・ゲルドフが目標としていた金額が達成されたの、このパフォーマンスの時だった。
 
ちなみにどうでもいい話だろうが、この手の映画では出演者の風貌が本当に当時の人達と同じに見えてしまうものなのだが、本作の主演のフレディー・マーキュリー役のラミ・マレックはイマイチ感が有った。しかしボブ・ゲルドフ役のダーモット・マーフィという人はなかなか雰囲気が出ていたなあと思いました。
 
とにかく最後のライブエイドのシーンだけでももう一度観てみたい。出来れがIMAXで。
 
【追記】
残念な事に近場でIMAXやっている所は無く、また一部の映画館では上映中に叫んだり合唱したりしてもいいそうですが当然私の住む地域には無し。なのでという訳でもないですがベスト盤買ってずっと聴き入ってます。日課となっているランニング用のプレイリストも当分これになりそう。
 
 
 
 
(*)
AIDSは現在でも不治の重病です。しかし医学技術の発達により病気の症状を止める薬が出来たため、その薬を処方してもらい一生服用し続ければ命への影響は最小限となります。そのためAIDSを発症する人は(特に日本の様に医療保険制度が完璧な国では)まれになり、HIV抗体受容者と呼ばれる様になりました。
 
 
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