勝って負けを認める潔さ ニコ・ロズベルグ引退はモータースポーツが紳士のスポーツだと再評価させた | Do More with Less

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メインタイトルは尊敬するCG創設者の故小林彰太郎さんの書から引用しました
プロファイル画像は @crown_sugar さんに描いて頂きました

F1をはじめとするモータースポーツは既にオフシーズンに入ったが、ファンの人ならまだまだ目が離せない話題が有る。

 

そう、今年ワールドチャンピオンを取ったニコ・ロズベルグが何とチャンピオン決定5日後に引退を表明。まだ後釜が決まっていないのだ。

 

この引退劇に対してはそれなりに色々な意見が交わされているが、私は正直にこれ以上きれいな引退の仕方は無いと思った。

 

最高のマシンを与えられつつも幼少期からライバルだった同僚のルイス・ハミルトンの後塵を浴び続け、今年は正直なところ色々運も有ってチャンピオンを取れた。年々ハミルトンとの差は縮まってはいたものの、やはり格下感は否めない。

 

ところがこの結果に対して彼は、今年果たした成果を来年も続ける事は出来ないと認めて引退を決意したのだという。

 

つまり一定のルールの下で行われる競技には勝ったが、実力としては負けを認めて、でもチャンピオンとして引退である。

 

似た話は同じF1で中嶋悟が引退した時にも有った。彼は今自分が最高のマシンを与えられても表彰台の真ん中に立てない事を悟ったから引退を決めたという。一流の者でないと出来ない行為だ。そして一つ疑問に思ったのは、他のスポーツでこんな例が有るのだろうかという事。

 

私は他のスポーツの話題に疎いのでそのあたりはよくわからないのだが、道具への依存度が高いモータースポーツならではの感覚なのかもしれない。しかしこの潔さは、まさに死後となってしまっている「モータースポーツは紳士のスポーツ」を具現化していると思った。

 

勝って負けを認めて引退する。これは最高じゃないだろうか。私は今回のロズベルグの引退は好意的に支持したいと思う。