こんな良書が県立図書館に有るのは当然として、私以外に借りられた形跡が無いのが悲しい。まさに保守王国グンマーなのだろう。
内容はいつも私が主張している事を根拠やデータと共に示してくれている。だから賞賛するというのは正しい態度ではないかなと思いあえて、「教科書として有用な本」と紹介しようと思う。
年金や公的保険って意外とみんな知らない。だからこれは老若男女を問わず、全ての日本人が知識として知るべきである。しかしそれでいながら意外と学校で教えてくれない知識なので教科書として読むべきだし、読んで欲しい本である。
少子高齢化が世界一速く進んでいる日本、老人が若者を食い物にする国。色々言われているのでお歳をめした方々には受けが悪いかもしれないが、著者は決して単なる老人批判をしているのではなく、この状況を打破するための方策も提案してくれているのだ。
その意味でやはりどちらかと言うと(私の読者には少ないだろうが)60歳以上の人にぜひ読んで欲しい。そしてさらに言うなら、この本の最後の方であえて告白しているが、そんな著者も上梓した段階で既に70歳を迎えているのだそうである。いや実は、私はこの人の事をずっと同年代だろうと考えていた。
実際のところ、同年代が抱える問題を解決出来るのは、同年代の事を実感として解っている同年代の人なのだ。その意味でもこの本で提案されている対策は、すぐにでも実行すべきと思う。
シルバー民主主義 - 高齢者優遇をどう克服するか (中公新書)/中央公論新社

¥842
Amazon.co.jp
