つぶやきながらだが、一応読み終えたので感想をアップしよう。
とは言っても言いたい事は既に書いてしまった気もするので、ちょっと違った視点から。
この本はジャンル的にどう分類すべきなのかが意外と難しい。ドキュメント? 物語?
戦後処理のドキュメントと、著者が子爵夫人の孫娘さんから受け取った手紙にまつわるエピソードとが交互に絡み、何となく上流階級から見た戦後の1ページを綴った様にも見える。
ちょっと話が反れるが、オレは”綴る”なんて難しい字は一応書けるけど、普段の生活では漢字で表記しない様にしている。しかしここでは漢字表記が適切だと思った。
下衆な表現をするなら、貴族の不倫的な内容も絡めてある。しかしそれを文学のレベルまで押し上げていると言っていい。何だか読んでいてちょっとわくわくする部分があったのだ。むしろこの部分をもっと強調して長く、細かく描写してくれたら、物語としてはもっと面白かっただろうと思う。まあプライバシーの問題もあってそれは出来ないのだろうが。
あらためて思ったのは、やはりオレも日本人の男だし、こういう場面で日本人の男が使えない輩として描かれていると言うか、現実がそうと言うのは、やっぱりまずいなって思ってしまった。
また逆に言うとそういう意味から、吉田茂や白洲次郎について、きちんと読んでみたい気がした。来年の課題図書になるか?
年末年始の図書館休館に伴い、返却日に余裕があるので、休み中にもう一度印象に残る部分は拾って読もうと思う。そんな事言っている間に次の本も読み始めているのだが。
ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」/猪瀬 直樹
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