欧文書体を分類するために、古くからさまざまな試みがなされてきました。
今日は、『Encyclopaedia of Type Faces(Cassell Paperbacks)』で採用されている分類方法(British Standard 2961:1967)から、セリフ書体(serif typeface)の部分を一部抜粋してご紹介します。
1. Humanist
特徴
• 小文字の「e」の横線が傾いている
• 曲線の軸が左に傾いている
• 太いストロークと細いストロークに、太さの差があまりない
• セリフにブラケットがある
• 小文字のアセンダーのセリフが傾いている
注記
かつて「Venetian」と呼ばれたもの
例
Verona、Centaur、Kennerley
2. Garalde
特徴
• 小文字の「e」の横線が水平
• 曲線の軸が左に傾いている
• Humanistに比べて、ストロークの太さの差がはっきりしている
• セリフにブラケットがある
• 小文字のアセンダーのセリフが傾いている
注記
かつて「Old Face」、「Old Style」と呼ばれたもの
例
Bembo、Garamond、Caslon、Vendôme
3. Transitional
特徴
• 曲線の軸は、垂直か、少しだけ左に傾いている
• セリフにブラケットがある
• 小文字のアセンダーのセリフが傾いている
注記
「Garalde」から「Diodone」へのtransition(変遷期)
例
Fournier、Baskerville、Bell、Caledonia、Columbia
4. Didone
特徴
• 太いストロークと細いストロークに、明らかな太さの差がある
• 曲線の軸は垂直
• 小文字のアセンダーのセリフが水平
• しばしば、セリフにブラケットがない
注記
かつて「Modern」と呼ばれたもの
例
Bodoni、Corvinus、Modern Extended
5. Slab-serif
特徴
• セリフが太く、四角い
• セリフにはブラケットがある場合と、ない場合がある
例
Rockwell、Clarendon、Playbill
「特徴」としてどの部分に注目しているのかが分かり、興味深いと思います。