日本では、リットルの記号に筆記体(図A)が使われていることがありますね。
これは過去の小学校教育でそのように教えられていたことが大きく影響しているようですが、一般的な英文組版では、筆記体(cursive/script)のℓは使いません。
ISO(国際標準化機構)やBIPM(国際度量衡局)は、筆記体のℓを公式な記号として認めていません。
小文字のl(図B)か大文字のL(図C)かについては、現在のところ、どちらでもOKといってよいでしょう。
CIPM(国際度量衡委員会)が最初に採択した記号は小文字(l)だけでしたが、後に大文字(L)も認められました。
通常、単位を大文字にするのは、人名に由来している場合ですが、小文字のl(エル)は、数字の1と似ていてまぎらわしいからです。
NIST(アメリカ国立標準技術研究所)は大文字のLを使うことを推奨しているので、カナダやオーストラリアでもそれに追従する動きがあります。
「litre」はフランス語やイギリス英語での綴りで、アメリカ英語では「liter」です。
「litter(ごみ)」とは綴りも発音も異なるので気をつけましょう。
ヨーロッパの缶ビールなどで見かける「cl」は、日本ではあまりなじみがありませんが、「センチリットル(centilitre)」のことです。