引用符(quotation mark)—まぬけ引用符に注意 | グラフィックデザイナーのための英語講座

グラフィックデザイナーのための英語講座

デザインの現場で使われる英語を
『グラフィックデザイン用語英和辞典』の編纂者が紹介します。

昨日のアポストロフィに関連して、今日は引用符(quotation mark)の話です。

対で使うものなので、しばしば「quotation marks」、「quotes」と、複数形で呼ばれます。
 


A: 二重引用符(double quotes)
主にアメリカ英語で使われる引用符です。

B: 一重引用符(single quotes)
主にイギリス英語や、理化学系の文書などで使われる引用符です。

C: まぬけ引用符(dumb quotes)
「不体裁」あるいは「誤り」です。


二重引用符の中でさらに引用符が必要な場合には、一重引用符を使います。
(一重引用符がベースとして使われている場合にはその逆で、二重引用符を使います。)

引用符を他の約物(comma、period、question markなど)と組み合せて使う場合、引用符と他の約物の位置関係をどうすべきかについては、さまざまなルールや議論があり、なかなか複雑です。

The Chicago Manual of Style』に代表されるような、いわゆる「American style」では、以下の例文のように、原則としてカンマやピリオドを引用符の内側に置きます。

“The only true law is that which leads to freedom,” Jonathan said. “There is no other.”
(Richard Bach『Jonathan Livingston Seagull』より引用)

日本語で行末の句読点をぶら下げるように、英語では引用符を行頭でぶら下げることもあります。