社交ダンスが上達するにつれて習うステップやフィガーの
数も増し一曲を通して様々な音楽表現が必要と成ります。
その為しっかりと演ずる為にも出来るだけ正確に覚え
途切れること無いリード&フォローを身に付けていく事が
大切と言えます。
しかしながらルーティンを覚える事は多くの方にとって
一つの壁と成っていて特に高齢になって来ると身体の
運動機能のみならず社交ダンスのアイテムやルーティンを
覚える事が難しくなって来ます。
発表会や競技会の為のルーティンを如何に正確に覚えるかが
踊り手に取って大きな負担と成っている事も事実です。
若い方を教えていると高齢者に比べ非常にスムーズに理解し
覚え演ずる事が出来る事が多いのですが歳を重ねるに連れ
記憶力の低下も有り同じように覚えるのにかなりの時間を
有する事が少なくありません。
如何に習ったことを早く覚え自分の運動表現として身に付けるか
踊り手に取って時間的にも経済的にも重要と言えます。
中々ルーティンを覚えられない方々をレッスンしていると
単に記憶力が余り優れていないと言う事よりも個人的な
覚え方が余り良くない場合が少なくありません。
特になかなか思い通りルーティンを覚えられない方を見ると
記憶力が足りないと言うよりルーティンの最初からフィガーを
一つ一つ順番に覚えようとしていて踊り方を覚えると言うより
頭の中にルーティンの順番を文字として覚えようとしています。
中にはしっかりとノートに書き留め確実に記憶しようとしている
生徒もいてその姿は非常に真面目で誠実な覚え方と言えます。
特徴は社交ダンスの踊りを踊姿のイメージで覚えるのでは無く
まるで学校のテストへの勉強をしている様です。
しかしながら一見確実に覚えそうで実は非常に難しい作業を
強いていて努力の割には楽しく演技力を身に付ける事には
繋がらず時間が掛った割には実際の音楽表現は期待した程
上達しません。
問題は習った事が実際の運動表現として頭の中に定着して
いない事で有り文章的な記憶が覚えた内容の主体と成って
踊り出す時はその文字を新たに思い浮かべて再現している
というかなり遠回りの演じ方をしています。
子供達や簡単にルーティンを習得する踊り手を見ていると
何をするかと言う文章的説明で覚えているのではなく
習ったフィガーやルーティンが自分が実際に踊っている姿
として映像的に記憶している場合が多いです。
頭の中には立体的な映像が流れ習ったフィガーやルーティンが
自分の踊っている姿やペアとしての運動表現に書き換えられ
演じ方として覚えられています。
特に子供達や瞬時に新しいルーティンを上手く熟す踊り手は
説明した言葉以上に如何に運動表現をしたかをその場でシッカリ
記憶している事が多くルーティン説明ではない実戦的な踊りで
理解している場合が少なくありません
新しいフィガーやルーティンを覚える時は音楽表現としての
自分が踊るイメージで理解する事が求められます。
出来るだけ全身を動かしお相手との関わり合いや繋ぎ合った
運動で演じる姿をフィガーやルーティンとして覚える事が
ストレスなく自由に時間を掛けないで記憶する方法と言えます。
特に足形として演じようとする方は全身の運動表現として
覚える事が出来ず身体の一部の印象で覚えようとしています。
記憶は全身の動きを作りながら自分のイメージする運動表現で
具体的映像を作りながら行う事が有効です。
そしてそのイメージの元で自分の運動表現でルーティンを演じ
踊っている時のお相手と音楽をしっかりと感じる事です。
簡単なルーティンを踊る時も見る聞く触れると言った感覚を
全身で創りながら演ずるとかなり確実にフィガーが演じられ
踊る楽しさが一段と増します。