社交ダンスを習うと教えられた踊り方が自分にとって
一番正しい演じ方と思いがちですが例えテキストに載って
いる様な運動表現であってもそれらの踊りはあくまで
どの様なフィガーをどの様に演じるかの基本知識で有り
覚えたままの記憶を再現しているだけでは思い通りの
楽しい踊りに成らないだけでなくお相手に常に苦痛や
負担を与える原因と成ってしまいます。
多くの踊り手はまるで学校で習った様に踊り方には
正しい踊り方と言う答えが存在しているかの様に思って
いる事が多く出来るだけ覚えた知識を間違いなく再現
する事が上手に踊る方法と信じています。
確かに習った通り間違いなく踊る事はとても大切ですが
その方法を試みるお相手は様々な個性を持ち自分が
考える様に踊っても思い通りには動いてくれません。
たまたまお相手も知識として知っているから何とか
同じルーティンを演じられるのですがどちらも自分の
考えで踊っている事が多くコンタクト面には緊張が走り
上体はシッカリと固定して形を維持し続けなければ
美しさを保つ事は出来ません。
社交ダンスの踊り手は少なくとも三種類の踊り方を
頭に入れていなければなりません。
一つはテキストに書かれている様な長年に渡って
研究がされ体系化されて来た多くの人に踊り方を
伝える為の基本知識です。
これは世界中の誰もが社交ダンスを学べるための基本の
踊り方で有ってこの踊り方がベースと成って様々な
音楽表現が創られます。
二番目に有るのが皆さんが教えられ自分の覚えるべき
フィガーやルーティンで有り様々な場で多くの教師や
教える立場にある方が伝える社交ダンスを踊る為の
ハウツーです。
三番目の踊り方は教えられたフィガーや運動表現を
お相手や音楽そして環境によって最も適切で楽しい
音楽表現とする技術です。
踊るお相手が変われば音楽が変われば同じフィガーや
ルーティンが全く違った表現に変わります。
普段様々な方とやり取りをする様に私達はこの段階で
初めて自分の意思表示が出来お互いにトラブルの無い
楽しい人生を送る事が出来るのです。
社交ダンスは正に人生そのものであり日常生活を円滑に
楽しく行う事と同じなのです。
如何に踊るお相手と心から楽しくやり取りができるか
お互いにお相手を助けながらペアとして最も適切な
音楽表現を行う事が重要です。
多くの知識も運動表現もお会い手の心と身体を知る事で
初めて役に立ちお互いの喜びを生む事に成るのです。
様々な方をレッスンして来ると上手く踊れる踊れないに
関係なくこの大切な領域まで考えないで踊っている事で
様々なトラブルに見舞われたり思い通りに踊れないで
悩んでいる方が実に多いです。
皆さんの持っている知識や運動能力はご自分が思うより
遥かに優れていて特に潜在的に誰もが持ち合わせている
対人センスは素晴らしいものが有ります。
知識には限界が有りますが潜在能力は無限と言えます。
先ずはお相手を音楽をそして環境を感じる力を育て
思うが儘に動ける身体を目指す事が大切です。