レッスン教本にはフィガーが一つ一つ詳しく説明されていますが
シッカリと覚える事は大切ですが実際に踊る時は単体として
演ずると音楽表現が途切れてしまったり男女の繫がりが失われて
てしまったりして楽しく踊る事は出来ません。
初めてのフィガーで有ったりする場合はその踊り方を詳しく理解
する事がとても重要ですが踊る時は前後に幾つかのフィガーを
繋げる事に因って数小節に渡る音楽イメージを持つことが重要と
言えます。
またナチュラル系のフィガーとリバース系のフィガーは連続性の
ある回転運動を途切れなく行う為に同等の回転が続く限り
フィガーの運動表現を滑らかに繋いで演ずる事が大切です。
初期の資格テスト等は数小節に渡って同じ回転運動を行う
フィガーが使われる事は少ないのですがデモンストレーションや
競技会に於いては4小節以上に渡って同じ回転系のフィガーが
使われる事が多く如何に運動表現を滑らかに繋げるかが重要
と成ります。
しかしながら回転運動が変わる時単にステップの種類を変え
フィガーを変えるだけで応じようとする踊り手も少なく無くて
回転運動が滑らかに変化しないで運動表現が止まってしまう
踊り手も多く見られます。
とは言えルーティンを演ずるにあたって回転の変化によって
ペアとしての運動表現の変化を美しく表現する事も多く
様々なスタンディングに因る美しい上体のシルエットも
この回転の変化を利用していると言えるのです。
所が踊っている姿を見ると音楽が繫がりの有る上体の
運動表現に見えるペアは少なくステップを踏むたびに二人の
上半身が止まっている場合が多く音楽表現と言うより常に
自分達のフィガーやルーティンを確認している様に見え
音楽表現と成っていない踊り手が実に多いです。
また華やかな演出により周囲の踊り手との違いを強調し
優位を図ろうとするペアもいますが残念ながら音楽が
消えてしまい単なる個人技と成っている事も有ります。
見ている側からすると如何なるフィガーやルーティンを
使って演ずるのかは解りませんがその時流れる音楽は
踊り手が聞こえると同じように感じているのです。
如何にその時流れる音楽を自分たちが使うフィガーや
運動表現で美しく感動的に演ずるかが大切です。
多くの人に社交ダンスの踊り方を伝える為に数々の
フィガーの説明を行い如何に音楽表現をするかの解説を
しているのがテキストでも有るのですがそれはどの様に
演ずるかの説明で有ってペアとしての音楽を表現する方法
ではないのです。
これは英語を習う時に沢山の単語や構文を習うのと同じで
どんなに沢山覚えても中々欧米の方々とは自由に話せないで
苦労している場合と同じと言えます。
間違いなく単語を覚え構文を記憶しても実際に喋りお相手と
同じスピードで思いを繋げながら会話する事は難しいのです。
社交ダンスを上手に楽しく踊る方法も英会話を習得する事と
非常によく似ています。
プロよりも遥かに知識が有るアマチュアの方も多くいますが
実際に誰とでも自由に踊れたり流れる音楽を美しく自分なりに
表現できる方が非常に少ないです。
音楽を演ずる時流れるメロディーは英語をしゃべる時の実際の
会話スピードの様なものです。
途切れながら喋っていては楽しい会話は出来ません。
社交ダンスを踊る時自分の持っているルーティンを演ずる為には
少なくとも４小節出来たら８小節のフィガーをまとめて音楽表現
として覚える事です。音楽の特性や流れそしてお相手の反応に
因ってその音楽表現はかなり変わって来ますが使われている
フィガーやルーティンの種類は変わりません。
社交ダンスが誰とでも踊れ様々な音楽表現を生み出しながら
演じられる事で心も身体も伸び伸びと踊る事が出来るのです。
所が上手と言われる方に限って様々な制約や運動表現更には
自分が踊るルーティンに縛られてたとえ正確に踊っていても
外見的には躍動感の無い感動の薄い踊りと成っています。
社交ダンスの音楽表現は踊り手の心を表します。
音楽を表現する事でペアとしての心の高鳴りを表現し踊る事の
喜びと幸せを感じられる事が大切です。
音楽が流れお相手とコンタクトした瞬間から最後まで思うが儘
身体が反射的に動けるように成った時初めて踊り手も見ている
人達も感動に包まれるのです。