社交ダンスの種目は音楽によってその特性が作られていますが
踊り手の豊かな感情を作り出し見ている人の感動を生み出すには
踊りの印象を強調するだけでは余り良い結果を得られません。
社交ダンスだけでなくスポーツを観戦した時素晴らしさに感動し
更なる魅力を感じるのはそのパフォーマンス全てを見ての事
ではなくその時々に表現される印象的な運動表現に有ります。
踊り初めから最後まで頑張って力強く踊ったとしても単に
暴れているような印象を感じさせたり音楽が全く感じられない
運動表現を見せ付けられているだけに感じる事も有ります。
もちろん音楽は構成上様々な工夫が成され演奏形態や表現が
様々に変化してはいるのですが一貫として流れるメロディーは
全体を通してその曲の特性を示す様に作られています。
音楽の素晴らしさはその音色や演奏によって私達の心に強く
印象を抱かせ喜びを与える様に作られているのですが
踊り手が音楽を表現するとなると踊り手の存在感を運動表現で
表す事が大切と成って来ます。
そのことから踊る為の様々なフィガーやテクニックが開発され
如何にペアとして美しく演じるかが研究されて来ました。
リズムを奏でる時もただ同じ強さの音を繋げるだけでなく
強弱中弱とリズムの強さを変えたり数小節に渡る演奏形態を
美しく繋げる事で人々の心に楽しさや安らぎを与えています。
社交ダンスを踊ると言う事はこの音楽の素晴らしさと踊り手の
魅力ある音楽表現を失わない様に演ずると言う事です。
その為には踊り手の素晴らしさを強調するだけではなく
音楽の素晴らしさを感じさせる演出をする事が大切です。
ペアとしての魅力的な音楽表現を強調する時には
その前後の踊りは印象的にすると言うよりはむしろ
音楽を引き立たせるよう旋律を演出したりよりソフトに
流れる様に踊ったりと自分たちの表現をより印象付ける
踊りを考える事も表現力を高める事に繋がります。
競技会などではどこを見られてもポイントに成る様に
一曲を通して印象的な踊りをしがちですが曲を決めて
デモンストレーションや発表会などで踊る時は
自分が主張したい踊りを意識できるようになると
音楽表現にメリハリが生まれとても印象的な踊りと成り
観ている人達の心にインパクトを与える事に成ります。
社交ダンスの音楽表現はその正確さや外見的な美しさも
大切ですが人の気持ちが作り上げている事を忘れては
成りません。踊りは踊り手の心を表す事にもなります。
踊る事で自らの心と身体の成長を促し見ている人達に
喜びを与えられる様に成れたらといつも思います。