クリスマスで何をするかと言えば、皆でパーティで盛り上がる
のが一般的と言えますが、私達踊り手は社交ダンスを踊り
仲間達と楽しい時間を過ごす事が一番の喜びと言えます。
数十年に渡って年末と言えばクリスマスパーティとして
ダンスパーティを催し、多くの生徒と笑顔で向かい合いました。
初めて発表会に出る方の異常な緊張も、何十回と無くデモを
繰り返して来た大ベテランまで、年末のパーティは楽しくも有り
気持ちが引き締まるものでした。
大きな会場を借りて催すダンス教室も有れば、自分達のホーム
グラウンドであるいつもの練習場をクリスマスカラーに彩り
一年を楽しく踊り続けて来た仲間たちと楽しく踊り明かす
アットホームなパーティもあって、誰にとっても楽しい思い出が
刻み込まれる夜と言えます。
普段の練習では先生やおなじみの仲間達としか踊らないものの
パーティは外部からの参加者や全く初めての方々も多くて
誰にとってもエキサイティングでワクワクするものです。
数年ぶりにお会いする昔の仲間や友達、更には思いがけない
著名人との触れ合いも有って、踊るだけでなく好奇心を擽る
素敵な触れ合いの場でも有ります。
とは言え、やはり私達社交ダンスを愛する者としては
出来るだけ踊りを通じてお互いの心を開きあい、より一層の
信頼関係を築きたいものです。
その為には、様々なタイプの方と踊る為に自らの踊り方を
しっかりと社交ダンスとしての音楽表現とする事が大切です。
レッスンの時はやはり個人的な技術や運動表現の練習の為
出来るだけ理想的な運動表現や演出を考えるのですが、
不特定多数の方とコンタクトするパーティに於いては
誰にでも心と身体が繋がり合うために、出来る限り単純で
ステップの事をあまり考えないで踊れるフィガーを
選択する事が大切です。
どんなに上手に踊れても、自分が普段行っているフィガーの
組み合わせやルーティンをそのまま使ってはいけません。
例えお相手が先生の様なテクニシャンであっても、
自分の音楽表現を強調する様な踊りはパーティには不向きです。
多くの方が様々な方向に踊り合うフロアーに於いては、
どんなに周囲を踊り手で囲まれても、無理なく抜け出し
お相手とのコミュニケーションが失われない事が重要です。
また、技術や運動能力が高いからと言って、自分の踊り方に
お相手を従わせるような踊りをしてはいけません。
出来る事なら、お相手の運動表現やテクニックに合わせながら
それ以上楽しく踊れる様にお相手が気が付かない様に
自然に導けるとベストです。
更に普段は出来るだけ大きなホールドで歩幅を広く踊って
いるかも知れませんが、パーティ会場では、お相手に
合わせるだけでなく、部屋の大きさや自分達が演じられる
スペースに合わせてフィガーを組み合わせコースに変化を
持たせる事が大切です。
いつもしっかりとしたホールドを保つ事を求められるかも
知れませんが、多くの方が踊るパーティでは、時には
ロングサイドのホールドを完全に下におろして踊る事も
社交ダンスの踊り方の1つです。
上手な方は自分達のコースの状況に応じてホールドや
ステップの大きさを自由に変えて楽しみます。
多くの踊り手の中で接触が懸念される場合は、出来るだけ
お相手の状況を感じながらお相手が接触しない様
常に周囲の踊り手から守る様に心掛ける事が大切です。
特に女性は男性にしっかりと守られている時、心から
楽しく自分の音楽表現が出来るものです。
どんなに上手に踊れても、黙って俺について来い！
と言った旧態依然の日本男子の踊りは良くありません。
男子は女子を自分の思い通り踊らせるのではなく
女子が安心して自由に伸び伸びと踊れる様にします。
女子は男子にフォローすると言うより、男子の踊りを
しっかりと理解して自分を無理なくリードできる様
身体の動きをもって働きかける事が重要です。
これらの運動表現は、当然お相手によってまちまちです。
様々な方と踊りを通じて心を開き合いお互いの魅力を
感じ合う事が大切です。
自分の先生や特定のパートナー以外の方と踊る機会が
パーティでは最大の魅力なのです。
言葉でなく身体の運動表現で思いを伝え合う事が出来れば
いつまでも心に残る素敵なパーティと成ります。