社交ダンスを踊る時如何に上手く重心を動かす事が大切であり
自分の音楽表現を豊かにするだけでなくお相手にとって
とても踊り易いパートナーと成る事ができます。
車と同じでひとたび動き出すと差ほど力はれなくても充分
運動表現は出来るのですが、コンタクトして最初に踊り
始める時や演技の最中に移動しないで音楽表現を行なった後は
重心を如何にスムーズに動かせるかが肝心です。
多くの踊り手は自分が踊ろうとするフィガーやルーティンには
かなりの注意を払っているのですが、踊り初めやお相手に
自分の運動表現を伝える時重心が止まったままでコンタクト面に
直接力をくわえたり床を押したり蹴ったりして身体を動かそうと
して音楽に同調した繋がりの有る表現が出来ていません。
特にスタート地点でコンタクトした後、互いに如何に重心を
動かして自分の運動表現を伝えるかが大切です。
この事はスタンダードダンスだけでなくラテンアメリカンダンス
に於いても同じ事が言え、組んだ瞬間お相手が上手に踊れるか
否かが直ぐに解ります。
新幹線に乗った事のある方は動き出しが全く感じられず
いつの間にか車窓に移る景色が凄いスピードで流れて行くのを
感じると思います。
社交ダンスを踊る時もお相手に動き始めの大きなショックや
緊張を与えない様にしなければ成りません。
コンタクトした後しっかりとコンタクト面の向こうに有る
心と身体を察する事が重要です。
男女共に重心が動けばあらゆる全身のパーツは思い通りの
自然な運動を始めます。お相手を踊らせようとかついて行こう
と思わないで、先ず自分の重心が前進後退をする事を
考えましょう。
ホールドが崩れないようにするのも上体を真っ直ぐに
保ち踊るのも重心点が滑らかに前進後退をする為でも有ります。
何処か部分的に力を入れたり形を変えたりすると重心点が変わり
滑らかな音楽表現が出来なくなってしまいます。
目の前のお相手の運動の中心は重心点にあります。
自分の動く中心も重心点にある事を忘れない様にしましょう。
脊椎の下方のヒップの中心辺りに重心点を感じましょう。
両足の力はそのポイントを動かす事で全身の音楽表現を
作ります。
踊っている時も歩いている時も重心が前進後退をしている
イメージを普段から持っている事は大切です。
重心点は身長の真ん中では無く、脚に近い臀部の中を想定し
踊っているイメージとしては床から身長の三分の一程の
高さと考えましょう。
コンタクトしているボディの一番下と考えて下さい。
外見的には足を長く見せて踊ると格好く見えそうですが
その様に運動の中心を高いコンタクト位置に持ってくると
結果的に相撲や柔道のせめぎ合いの様に成ってしまいます。
美しい外見や心から楽しめる音楽表現は、決して見た目から
運動で作られていない事を知りましょう。