社交ダンスのみならずあらゆるスポーツに於いてあばら骨を
上体のどの位置に置くかによってパフォーマンスが変わります。
腹直筋や広背筋などの筋肉を鍛えれば外見的にアスリートの様に
見栄えがしますが、あばら骨が上体の正しい位置に無ければ
バランスを失いやすいだけでなく、肺と心臓に大きな負担を
与えてしまい、運動能力が低下してしまいます。
多くの方々の上半身に於けるあばら骨位置の問題は、
正しく脊椎に乗せられ内臓を保護していないだけでなく
ショルダーや頭の重さで圧迫されたれ肺への呼吸機能や
心臓への負担となっています。
あばら骨は鳥かごの様に上半身の肺や心臓等の大切な臓器の
生命活動を守っているのですが、頭の位置やショルダーの
使い方によって常にその機能を抑えられがちです。
特に高齢者や上体が猫背で有ったり更には反り気味の方は
上手く内臓を保護できず、日頃から心肺機能に大きな影響を
与えています。
見た目のみならず健康な生活を営む為には筋肉のトレーニング
以上にその役割をしっかりと理解する事が大切です。
社交ダンスに於いて目立つあばら骨の位置の悪さは、一見
上半身を姿勢よく上方に伸ばして美しい姿で踊っている様に
見える踊り手達の多くが、ただ頭を起こし胸を張って
ホールドを上げているだけで、実際は、あばら骨の位置が
落ちていたり後屈前屈している場合がとても多いです。
ホールドを上げれば外見的に踊って見えるかも知れませんが
実際はホールドを上げて踊っているのではなく、あばら骨を
体幹の上方への力で高い位置に上げ脊椎の上部でバランスを
取りながら肺や心臓等を保護してるのです。
つまり、腕をしっかりと持ち上げても背筋を伸ばして外見を
それらしく見せても、あばら骨が脊椎の上に引き上げられて
いなければ肺と心臓の負担は大きく成りパフォーマンスが
直ぐに滞ってしまうのです。
ショルダー、つまりホールドは体幹によって引き上げられた
あばら骨に浮いている様な状態なのです。
その為お相手によってコンタクト部分は変わっても自らの
あばら骨の位置は変わらないのです。
両腕を引き上げて肩の周囲筋で形作るホールドは
常に首周りや肩の周囲の筋肉を緊張させ続け、肩凝りや
腰痛の原因と成ってしまいます。
アスリートは常にあばら骨の位置を体感の筋肉によって
浮かせている為、肺への呼吸量も常に多く心臓の負担も
少ないから力強いパフォーマンスが継続できるのです。
両腕は体幹によって持ち上げられたあばら骨の上に
乗っている様なもので、決して重いものでは有りません。
ショルダーを固めなければ踊れない方は、あばら骨が
落ちていて腕の力で引き上げようとしているからです。
ショルダーは下半身の脚のスウィングを作ったり上体の
ローテーションを生みだしたりする為固めて演ずる事は
社交ダンスのみならずあらゆるスポーツに於いて
最悪の行為と言えます。
社交ダンスが中々上手く踊れなかったり、ステップが
覚えられないのは上体の意志の有る運動機能が作れず
常に下半身に意識を持って動かし続けると言う
普段の生活とは全く違った人間の運動機能を無視してた
練習をしているからです。
上体の非常にシンプルな運動機能が下半身の複雑な
ステップや運動表現を創る事を知らないと、思うがままに
社交ダンスは踊れないのです。
高齢者の多くがあばらの位置が低く、猫背状態や頭骨が
前方に出た姿勢で生活しています。
ただ反って外見を取り繕っても身体の運動機能は変わらず
思う様なパフォーマンスは出来ません。
ステップやテクニックを10年練習するより自分自身の正しい
運動機能や上体の働きを知れば社交ダンスもスポーツも
1年もしない内に思うが儘に楽しめるのです。