しっかりとステップやルーティンを記憶しているのに
実際に踊るとなると、思い通りの運動表現が出来なかったり
周囲の踊り手と頻繁にニアミスをしているペアがいます。
また、一体どのようなステップを踏みたいのかどの方向に
踊りたいのかわからないペアもいて、フロアーの中で
何組も踊っている時は周囲の踊り手にとっては渋滞を
生み出す大きな原因ともなっています。
社交ダンスは基本的にLODに沿って時計と反対周りに
部屋の中を踊って行くのですが、自分のルーティンに
必死になっているのか周囲が見えていないのか、
流れに逆らったり唐突な動きをして周りの踊り手たちの
ひんしゅくをかってしまっているペアもいます。
多くの場合経験が浅いペアに見られる傾向ですが
キャリアが有って様々なステップやフィガーを使うベテラン
であったとしても同じ様な問題を持っているペアも
多く見かけます。
テクニックのあるなし経験のあるなしに関わらず
上手く踊りの流れに乗っていけない踊り手に共通する
問題点は、周囲が全く見えていなくて自分の頭の中の
記憶の確認をしている事です。
つまり、周りが見えていないから常に自分の踊りが
滞ってしまい周囲に迷惑が掛かるのです。
例え踊るスペースが空いたとしても、すぐにコースが
塞がれてしまいます。
社交ダンスを踊っているペアの流れは、LODに沿って
時計と反対周りに回っているだけでなく、各ペアは
基本的にナチュラルとリバースの回転のもとに
自分の持つステップやルーティンを演じています。
ただ進行方向に強引に進もうとしても思い通りには
踊れないのが現実です。
まず今踊っている自分のルーティンがナチュラル系か
リバース系かをしっかりと認識しましょう。
自分達と周囲がナチュラルのルーティンで流れている時は
多少接触しても音楽表現が止まる事は有りません。
しかし、誰かが運動を止めてピクチャーラインで演じていたり
リバース系の回転で踊っていると、途端に演技を止められ
辛い思いをします。
止められるということはリバース系に運動を変えれば
ぶつかり合うことが無くなります。
簡単なチェンジステップを用意しておいて、その場を
リバースの回転で逃れスペースが空いた所から
改めてナチュラルのルーティンを続けるか、そのまま
リバースのルーティンで踊り続けます。
頭の中のルーティンのコースを正確にたどったとしても
デモンストレーションでない限り自分とは違った思いで
演技をしている周囲の踊り手達との接触は避けられません。
また回転の方向と同時に、同じ回転で踊っていく数小節の
ルーティンを準備しておくと、その時流れを変えないで
同じ方向に踊りながら最も適切なステップを選ぶことが出来
周囲をペアに囲まれても難なく脱出で出来ます。
基本的にトラブルを回避するステップやルーティンは
出来るだけ単純で短いものがふさわしいと言えます。
なお、ラテンアメリカンダンスにおいても、ルンバや
チャチャチャ、ジャイブ以外のパソドブレとサンバは
LODに沿って移動することが多く、トラブルを避けるため
周囲をよく見ながら、踊るコースと次の演技表現を
常にイメージして踊っていくことが大切です。