福祉の基本は、社交ダンスと同じ | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

現在、私の母は三度目の骨折で入院中です。

94歳という高齢であり、これまでもヘルパーさん無しでは

日常生活すら送れず、週の半分は私も帰省をしています。

とは言うものの、日本の現状は少なからず同じような

問題を抱えている家庭が珍しくなくて、高齢者が人口の

多くを占めるようになった日本社会の足かせとも言えます。

 

その為国も高齢者を支えるために様々なバリアフリーを

日本中に広げていますが、施設の充実は目を見張るものの

肝心のマンパワーが追い付かず、介護士やヘルパーといった

直接高齢者を支える人達が不足気味です。

しかしながら問題は、社会的なヘルプではなく、各家庭における

家族間の繋がりにあります。

かつて、若者と大人たちの断絶が社会問題となった時代が

有りますが、高齢化社会になってもその世代間の大きな溝が

日本社会に更なる軋轢を生んでいます。

 

福祉社会が発達してきたと言っても、若者の心と高齢者の

思いとは大きな隔たりが有り、本当に高齢者が望む福祉が

行われていないのです。

国や行政が作り出す福祉施設は見た目高齢者のために

なっていると思いがちですが、外見的な豪華さや機能充実が

本当に高齢者の気持ちを癒しているとは言えないのです。

豊かで便利な老後を与えているとする行政に、例え不満が

あっても立場上我慢している高齢者も多く、高齢者社会を

豊かで幸せにしていると思っているのは政をしている人達

に過ぎません。

 

社交ダンスにおける上手に踊れると思っている方々の

思いも、自分ではそう思っていてもお相手いとっては

あまり楽しいものではないことが少なからずあるのです。

社交ダンスは上手に踊れる人が上手く踊れない人を

楽しく踊らせることがとても大切です。

 

例え素晴らしいステップやテクニックを知っていたとしても

お相手にとってはむしろ苦痛になる事もあるのです。

自分の能力を見せたとしてもその運動表現がお相手に

負担を与えていることもあるのです。

例え、いつも踊りなれたお相手であっても、人間ですから

時に心や身体に不備を感じていることもあるのです。

社交ダンスはその時々で、またお相手によって様々に

運動表現を変え、使うステップを選択しなければなりません。

 

大切な事は、外見的によく見えるステップやテクニックより

出来るだけお相手にとって難なくリードやフォローが出来る

心や身体に負担をかけない踊りをすることです。

競技会やデモンストレーションは別として、社交ダンスを

踊る時は、誰と踊ってもお相手が心から喜び満足できる

ステップやルーティンで踊る事が大切です。