今や日本は空前のペットブームと言え、犬猫に関してはすでに
子供達の数を超えています。
住宅環境の変化、環境の変化が大きく影響していると言われますが
身近に犬や猫の姿を見る事は珍しく有りません。
ペットは心の癒しとして存在しているのは言うまでも有りませんが
彼らの運動能力は私達の生活をより豊かに健康にするためにも
大いに参考に成ります。
かつて初めて日本に社交ダンスの世界チャンピオンが来日した時
彼が上野動物園に行ってゴリラや虎を長い時間眺めていた事が
知られています。彼はかなりの動物好きと思われていましたが、
後に彼は単に動物が好きと言うのではなく、人類に近いゴリラと
四つ足動物のトラを社交ダンスを如何に踊ったら良いかを考え
観察していたと語っていました。
弱肉強食の世界に生きる彼らは、無駄な動きを決してすることなく
常に全身の筋肉を繋げ運動しています。
屈強なアスリーとの何倍もの力を発揮する彼らの力はいかにして
作られるのか、世界のトップダンサーはその解明のために何時間も
檻の前に居たのです。
そんな巨大生物を観察しなくても、私達は身近な犬や猫を観察
する事で、如何に身体を使ったら良いかが理解できます。
陸上短距離の世界記録保持者のボルグでさえ野良猫の走りには
及ばないのはなぜか、如何に私達人間が運動能力に劣って
いるかの理由が解ると、社交ダンスやスポーツを心から楽しみ
思うが儘に演じられる方法が身に付いて来ます。
先ず大切な事は、多くの四つ足の動物は、上肢つまり前脚と
下肢が連動して動いていると言う事です。
この事は、例え二足歩行をする様に成って600万年程経った
人類であっても同じです。
問題は、移動手段に私たち人類は下肢つまり両足しか使えず
上半身の筋肉が下半身と連動しない事に有ります。
この事があらゆるスポーツや二足歩行を難しくする原因で有り
社交ダンスを難しくしている原因でもあるのです。
人類は、両腕が体重を支えなく成って下肢とは別に自由自在に
使えるようになった事で頭脳が発達し長足の進歩を遂げた
と言えるのですが、その反面下肢と上肢が繋がらない事で
多くの運動機能を失い、中でも重心を素早く動かし移動したり
スポーツする事が難しく成ってしまったのです。
重心を思うが儘に移動させ、目的の運動表現を行うには
如何に上肢と下肢を繋げる運動を学び理解するかにあります。
犬や猫が四つ足で歩く時、前脚と後脚を如何に繋いでいるか
その機能は当然私達人間にも備わっていて、思うが儘に踊り
運動表現をするにはこの自らの機能を知る事が大切です。
幾多のスポーツそして私達が愛する社交ダンスが有りますが
そのいずれもこの機能を使えて心から楽しむ事が出来ます。
外見的な違いを覚え再現しても上手く演じられないのは
この大切な本来備わっている機能を学んでいない事
そして男女がコンタクトして音楽表現をする時如何に使われ
互いの助け合って踊る事が大切かを知らない方が多いです。
この機能は、初心者もプロも、誰もが持っているものであり
社交ダンスを学ぶ時最初からレッスンされる事が重要です。
何故社交ダンスが思い通り踊れないのか、多くの時間と
費用をかけても思い通りに演じられないのかは、自分自身の
運動機能を習っていないからです。
この機能が優れている事が若さで有り、高齢になっても
健康で自分の身体を思うが儘に動かせる方法でも有るのです。