スローフォックストロットとクイックステップは競技化される以前
同じ音楽の中で踊られていました。
現在の様に別の種目として踊られる様に成ったのは、フォックス
トロットと言う踊りの中で踊られていたゆったりとした表現の
踊り方の部分と軽快な部分が分けられて二種目の踊りに
成りました。
その為に、基本的な運動表現はとても良く似ていて、特にボディを
大きくスウィングした後のボディムーブメントはどちらも進行性が
とても強く、滑らかに途切れることなく演じられます。
この事は、ワルツとスローの違いとして前回書いたのと同じく
クイックステップに於いても、正しいボディスウィングとその後の
音楽表現が正しく理解されている事が重要です。
スローのフェザーステップを踊っている時見られるワルツの様な
ライズがクイックステップの場合も目立ち、多くの踊り手が
スウィングした後のボディが急速に減速するのが見られます。
フォワードロックはクイックステップの代表的なフィガーとして
多くの場で使われますが、ロックをする時のステップの掛け外しの
テクニックはワルツと全く違っている事を知らなければ成りません。
クイックステップを踊っているペアを見ていると、ロックをする時
またシャッセをする時に急にトップが高く成り減速をしています。
つまりスウィングの後半に減速する事で進行性の踊りとはならず
スローと同じく上体の前進後退の動きが急激に止まってしまって
クイックやスローの表現と成っていない場合がとても多いです。
ワルツにもフォワードロックステップが有りますが、ワルツの場合
掛ける時にライズが継続されている事から減速が起こり、優雅な
ロック表現と成りますが、クイックステップは掛けたり揃えたり
する時には次のロアーダウンへの導入と成り、スウィングして
上体をノーフットライズした後は、たとえトウで立ってもいる時も
重心が出来るだけ上がらない様に踊らなければ成りません。
フェザーステップを踊る時、ボディがスウィングごとに減速してしまい
男子が女子のアウトサイドに踊っている時上体が止まっている
ペアがとても多く見られます。
ワルツにも女子の外に踊るステップが有りますが、ライズが継続して
いる事から、その瞬間高い位置でのフライトが感じられます。
しかし、クイックステップのロックステップやスローのフェザー
ステップは、クイックタイミングのステップで上体が静止しない様に
踊る事が大切です。
この問題を解決するには、まず踊る時のテクニックであるライズと
ロアーの理解をしっかりとする事で有り、ワルツとスローそして
クイックステップの其々のライズ&フォールの正しい踊り方、
そして、ノーフットライズが踊りの中で如何に使われているか
の理解が必要です。
ライズやロアーによって重心の上下動を行う時、その途中で
ノーフットライズの状態を意識する事がとても大切です。
高くライズした後、突然膝を曲げてダウンする事は有りません。
足の裏が床に着いた状態を経由してからライズとロアーが
生まれると言う事を知りましょう。
突然指先で高く立ち上がったり、床を蹴って踊ったりしないで
足の裏が床に着いた状態で上体が上昇しその後ボールに
ライズしてトウに移ると言う段階が必要なのです。
基本的に身体を使うと言う時は、しっかりと足の裏が床に着いて
全身運動を行ってからボールやトウのフットワークに繋がります。