社交ダンスは、両腕を使ってコンタクトを取る事が多く
腕の使い方でトラブルを起こしている方が非常に多いです。
同じように、両腕でクラブを持つゴルフに於いても、
上手くボールを思い通りの方向に打てない方々の
共通の欠点と同じです。
社交ダンスもゴルフも両腕で、パートナーやクラブを
動かしている様に見えますが、この、見た様に動かすと
どちらのスポーツも、初心者から脱する事は出来ません。
私達は普段、身体を動かさないで、両手を使って、
様々な物を動かす習慣が有りますが、社交ダンスや
ゴルフに於いて、同じように相手やクラブを動かそうと
安易に考えてしまうと失敗してしまいます。
簡単に言えば、身体の中心でバランスを感じて
運動表現をする事から、両腕の運動で、頭から
踵までの脊椎バランスを無くしては成りません。
つまり、両腕の運動は、バランスを失ってはならず、
軽い物を持ち運んだり、座ったりして左右の手で
物を動かす事は支障がないのですが、移動しながら
床や地面からのリアクションを上体に伝えるには
身体の運動経路を知っていないと上手く出来ません。
ゴルフクラブを振る時、ボールに対して両腕を
左右対称にしてクラブを持って構えます。
この時、身体の中心を確認しています。
次に、クラブを構えるのですが、右利きの人は、
右半身が、右足踵の方向へ右回転を行います。
この時、外見的には、両腕で右後方にクラブを
振り上げて見えますが、左手と左半身は、
右サイドに反射的に付いて行くだけなのです。
クラブを右後方高く構えた後、重量を利用して
クラブを振り下ろすのですが、この時、
クラブヘッドをボールに当て、振りぬく動作は、
左腕と左サイドなのです。
ゴルフに興味が方は、両腕で振り上げて
両腕の力でクラブを振り下ろし、ボールに当てて
いると思いがちであり、現に、そうやって
ボールを打とうとしている方は非常に多いのです。
この事は、社交ダンスに於いても全く同じで
コンタクトを取って相手を動かしたり、
両腕でフォローする女子に多く見られ、
この事が二人の運動表現を難しくしています。
男女が同じ形でホールドを取り、形を固定して
左右の腕を均等に動かそうとしているペアが
実に多く、その様な踊りをする方は、殆ど
上半身から力を抜くことが出来ません。
両腕を固定したり、両腕で相手を動かそうとしたり
フォローしようとすると、身体の性質上、センターは
踊る方向と反対に動いてしまうのです。
回転いすに両足を上げて座って、ホールドを取り
左右にホールドを回転させてみて下さい。
すると、お腹の中心が反対に回るのが解ります。
ゴルフに於いても、初心者がクラブを振ると、
身体がよじれて、上手くクラブが振れないのは
この事が原因です。
男子がどんなに力任せでパートナーを動かそうと
自分の重心の回る方向が逆に成って
相手に力が伝わらず、逆に、自分のホールドを
崩してしまいます。
その為、多くの踊り手が、体形が崩れない様に
上半身を固めないと踊れないのです。
一見、男女の上半身は、何もしてない様に見えますが、
実は、常に左右の回転を伴って動いていて、
右回りは右後ろに、左回りは左後ろに回していて
決して反対のサイドが一緒に運動はしません。
回転系の苦手な人、早く回ると目が回る人は
身体の中に二つの回転が起こり、反射機能
バランス機能が失われているのです。
多くの踊り手が上半身を大きく見せようと
両腕を大きさゆうに広げて踊ろうとしています。
しかし、踊っている時、両腕が左右に分かれて
引っ張り合いをしていると、下半身の運動は
止まる様に出来ていて、下半身は、常に
意識を持って動かし続けなければならず、
いつまで経っても、足形の記憶を辿る踊りで
苦労します。
なお、スタンダードダンスのみならず、
ラテンアメリカンダンスも同じことであり、
重心を動かしながら行うスポーツは
殆ど全てがこの運動機能で出来ていて、
解っている方は、どんなスポーツも
踊も楽しく演じられるのです。