ヒップムーブメントの役割 | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

ラテンアメリカンダンスに多く見られる、運動時の

ヒップ周辺のローテンションは、上半身の演技と共に
スタンディングフットの重心を移動させ、リーディングフットに
ステップを送り込む大切な役目を果たします。

 

この運動は、ルンバやチャチャチャの様に、膝を伸ばし

立ち足の上で行う事で、ヒップ周辺が大きくローリングし
柔らかい下半身の運動を演出すると共に、女子に於いては
その運動が、女性らしいセクシーな表現をもたらします。

この事は、女子が男子と比べ、骨盤部分が大きく発達し
ウエストとの差が大きい為、より運動表現として強調され
上半身の表現と共に、ラテンアメリカンダンス特有の
妖艶な魅力を引き出す事と成っています。

その為、外見的に観察した時も、印象として強く残り
魅力的にヒップが動くトップダンサーを見ると、あたかも
その部分を大きく動かしている様に思ってしまいます。
アマチュアの競技会やパーティで踊る女子を見ていると
明らかに、ヒップの動きを強調して踊っている場合が見られ

二人の運動表現とは逸脱した違和感を覚える事が有ります。


このヒップを強調して踊る事を、アヒルがお尻を振って歩く

様に見える事から、ダックスウォークと言われますが、

二人がラテンダンスを演ずるための結果としてその様に
見えるのであって、単に、部分を強調する事は、余り良い
印象は受けません。

この、ヒップが大きく動いて見える原因は、立ち足の上に
ボールに体重を感じ、その後、重心が足の上に乗った後
次の足に運動を伝達する為に重心点がヒールの上に
脊椎バランスを伴って移動する為に起こる現象であり
立ち足の中から骨盤が左右にぶれる事は有りません。


もちろん、この重心移動は、スタンダードダンスを踊っていたり
普段、歩いている時も行われていて、両足が開脚して、
次のステップが次の場所をキャッチした時、そこに重心が

引きつけられると共に、送り出した足が立ち足に引きつけられる

レッグスウィングが伴う場合も、ヒップのローテーションは

行われていて、膝が伸びるタイミングが開脚時と成っている為

ラテンアメリカンダンスの様に、ヒップのローテーションが

見ている人には感じられないのです。


しかしながら、この立ち足の上で行われるヒップの動きが

無ければ、次の足がスムーズに振り込まれないで、
身体が前傾状態から真っ直ぐに立ち直る事が出来ず
高齢者に多い、頭を前方に突き出した歩き方と成ります。

所が、若い方でも、ラテンアメリカンダンスを踊る時に

前傾のままで踊っている方が結構多くて、日本人の踊りが
前に倒れながら、慌ただしく踊っている原因とも言えます。


柔らかい身体の中の重心移動に伴った外見的な動きは

ラテンアメリカンダンスの運動表現として重要ですが、

外見的に動かしていると、本人は豊かな演技力と思っても

見ている人にとっては見苦しく違和感を抱きやすいので
正しいヒップムーブメントは、どの様に生まれるかを
しっかりと理解して、自分達のルーティンを練習しましょう。