ロアー、ダウン、ライズ、アップの違い | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

レッスンをしていると、アマチュアの方のダンス用語理解が
間違っている事に因り、上手く踊れていない場合が有ります。
私達教師は、普通に理解されていると思いがちですが、
生徒側からすると、我々の意としない解釈をしている場合が
かなり多いものです。

中でも、初級の段階から常にレッスンに使われるダンス用語の中で
ロアー、ダウン、ライズ、アップという用語は、間違って覚えられる
代表的なテクニックです。

私達日本人の感覚からすると、ダウンとアップはなじみやすく、
ロアー、ライズは、後で理解する方が多いです。
しかし、問題は、この英単語を、そのまま言葉の訳として理解し
社交ダンスが上手く踊れない方が少なくないのです。

先ず、ダウンと言うと、低くなると思われる方が多く、ダンス用語の
意味とは変わってしまいます。
特にスタンダードダンスに於いて、ダウンとは、それ以上低くならない
つまり、ロアーしないと言う事です。

両脚を開脚したりして重心が低くなって行く様をロアーと言い、
ムービングフットがサポーティングフットの横を通過する瞬間
一番低い状態になり、見た目一番低くなるところがダウンです。
当然、ダウンは、次のライズへ繋がって行きます。

また、スウィングしたり、立ち足で床をプレスして、重心を上げて行く
継続的な重心上昇をライズと言い、もうこれ以上重心が上がらないで
次に低くなっていく場所がアップです。

つまり、ロアーと、ライズは重心が継続的に上下する運動であり、
アップとダウンは、それ以上低くも高くもならない場所と考えます。

初心者は、ダウンという足型を、体重を乗せる時、身体を低くすると
思ってしまい、アップは、より高くすると感じてしまいがちです。
そのため、ワルツなどを踊らせると、上下にアップダウンが強く、
滑らかなムーブメントが出来ません。

また、このアップとダウンと言うテクニックは、前の運動からの
関連で説明される事で、スローフォックストロットのウイーブに
於けるトウでの移動は、アップと言っても、クイックタイミングの
ステップを上昇しながら踊ってはいけません。
トウで立った時の同じ重心の高さを維持して踊るのです。
更に、タンゴなどのダウンと言うステップは、重心をより低く
踊るのではなく、重心移動する時にはそれ以上低くならないで
高さを一定にして踊ると言う事です。

初心者に多い、吊り上がったようなスウィングダンスの踊り方や
腰を低く床に落として踊るタンゴなどは、正しい運動とフットワークが
理解されてない事に因る場合が多いです。