中高年の社交ダンス、若者のヒップホップ | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

文科省によるダンス推進により、全国的に
子供達の教育の一環として、ヒップホップが
取り入れられる様になりました。
ただ、ダンスと言っても、社交ダンスを踊る
子供達の数は圧倒的に少なく、子供達の間でも
ダンスと言えば、ほとんどの場合ヒップホップと
言う答えが返ってきます。

しかしながら、中高年ともなりますと、経験上
多くの方々が社交ダンスをあげ、特に50代を
越える世代ともなりますが、少なからず、社交ダンスを
習ったり踊ったりした事が有るようです。

とは言え、この二つのダンスが交わることが少ないのが
問題であり、ダンスが世代間の交流の橋渡しと成らず
ヒップホップは子供達の体育事業の一環に留まり、
社交ダンスは、高齢者の趣味の一環となっているのが
非常に残念な事でもあります。

特に社交ダンスは、あらゆる世代が、御互いの年齢や
体力に関係なく、音楽を楽しめると言う、最大のメリットが
失われ、単に、競技選手や教師の模倣で終わっているのに
日本のダンス界が世の中に浸透しない大きな原因とも
言えるのです。

ただでさえ、日本社会は、世代間の考え方の格差が大きく
いかに、その間を埋めるかが、あらゆる社会で問題と成り、
御互いに相い入れない一方的な考えが、パワハラを呼び、
セクハラを呼び、イジメを生んでいます。

スポーツを楽しむのも、ダンスを楽しむのも、対人的に
御互いが相手の事を良く理解し、協力しないと成り立ちません。
この事は、仕事をするときも、家庭生活を営む時も、基本的には
同じであり、言わば、相手を察する力が無いと、何事も
スムーズに目的は達成できないのです。

社交ダンスに於いては、男女が至近距離にいてやり取りする為
相手の事をどれだけ感じて理解できるかが大切です。
どんなに沢山のステップを覚えても、素敵なルーティンを組んでも
二人の気持ちがお互いを感じられないと、たちまち、踊りは、
硬く不自然にギクシャクしてしまうのです。

つまり、社交ダンスを踊る大切な目的の一つが、目の前の人の
気持を察する力を身に付ける事でもあるのです。
この事が、世代を超えた、男女を越えた、深い大人の理性と
感情を生み、素晴らしいパフォーマンスを創り上げるのです。

社交ダンスやヒップホップのみならず、日本には様々な踊が有り、
それぞれの分野で、その踊りを愛する人々が日々努力を重ね
より感動の表現が出来る様頑張っています。
形こそ違え、根本は、人の心から生まれ、人の心を癒し
感動させるのが共通の目的です。

どんな踊りも、単にテクニックに溺れず、踊り手の心が
表現としてパートナーや周囲の人々に癒しと感動を与えられるよう
世代を超えた文化として発展して行く事を心から望みたいものです。