人類が二足歩行をする様になって、たかだか600万年と
言われています。
元々、ご先祖様は、他の哺乳類と同じく、4つ脚で歩き
体重を4分する事によって、安定したバランスで生活して
来ました。
ところが、二足歩行になったとたん、途端にバランスを欠き
その影響は現代人にまで至っています。
この事が、哺乳類に於いて、人類が一番運動能力に欠け
少しスポーツが出来ただけで、もてはやされる所以です。
その為、あらゆるスポーツに於いて、この二本足でいかに
スムーズに運動が出来るかがポイントと成ります。
しかしながら、本来、4つ脚である様に作られた身体は
二本になる事には今だ適応できず、スポーツ選手にとって
安定を欠くボディを強化する事が重要となったのです。
中でも、腹筋の強化は大切で、元々内臓を包んでいた
腹膜に筋肉が付いたに過ぎず、支えるには力不足です。
その為、多くのアスリートは、腹筋強化に力を注ぎます、。
鍛えられた、6パックの腹筋は、いかにもスポーツマンの
象徴の様に思われ、誰もが、石畳の様な腹筋を誇張します。
しかし、腹筋は、元々内臓を守るカゴのような物、鍛えても
それにより直接のパフォーマンスを生むとは限りません。
ボディを安定させるのに、多くの役目は背中側の筋肉であり
腹筋の役目は、縮めるよりも、真っ直ぐに板の様にして、
上体の前方部分の重みとバランスを司ります。
もちろん脚を前方に振り込んだり、振り上げたりする事には
大切ですが、この場合も、背中側の筋肉の反射としてなされます。
何しろ、上半身の括約筋は、背中側がお腹側の5分の4を占め
上体の強さのパーセンテージは下半身と強く繋がる背筋側の
運動で成されるからです。
割れた腹筋は見た目はいいのですが、腹筋を見せる様に
強調して運動すると、ちょうど逆上がりをする時の様に、
ヒップが下に入って、下半身の筋肉が使いづらくなります。
何故、社交ダンスに於いて、コンタクトする部分を真っ直ぐに
御互いが保ち合っているのかは、この板の様にしている時
一番腹筋の役目を果たすからです。
体脂肪が取れて、腹筋の周囲の脂が減ると、見た目格好良く
見えるかもしれませんが、その状態での運動は、思ったより
パフォーマンスにいい結果を生みません。
腹筋を見せるのは、ボディビルダーに任せましょう。
なお、腹筋の前や周囲に脂が付いている場合は、問題外で
鍛えられていない腹筋は、内臓が骨盤に落ちる原因であり、
腰回りに余計な脂肪が集まると、今度は、動作が重くなり
スタイルだけでなく、パフォーマンスが悪くなりますから
体幹を鍛える事は重要なのは言うまでもありません。