私達日本人は、世界でも稀な、語学ベタな民族と言われます。
中学、高校、大学と長い時間をかけ英語をを勉強しても
日常会話すらしゃべれない人が多く、国民が数か国語を
使い分ける事が出来る国々が多い中、何故日本人が
これ程にも長く英語の勉強をしても会話が苦手であるのか
海外の人からすると不思議にすら感じる様です。
この事は、社交ダンスの練習に於いても同じ傾向が有り、
様々なステップや技術を知っている日本人が、いざ
踊るとなると、特定の相手以外とは、中々思う様に踊れず
これまた、海外の方からすると踊り難く、踊っていて
楽しくない民族と思われがちです。
この傾向は、日本人の気質でもあり、社交ダンスを習う時も
大きなブレーキと成って、上達を妨げているのです。
いったい何が原因なのでしょう。
私達日本人は、ダンスを習う時、ダンス特有の足型やポイズ
更には、動き方を覚えようとします。
これは、世界中の方々に共通の事では有るのですが、私達は
この様々な所作や形、順番に非常にこだわる民族です。
フットワーク、ステップの種類、運動の方法等、その都度行われる
動作や姿をしっかりと覚え、この時点で社交ダンスの目的が
そういった練習にあると思い込んでしまいます。
つまり、テクニックを覚え、ステップを覚え、順番を覚える事が
社交ダンスを踊る事と思ってしまうのです。
英語で言うと、発音を覚え、単語を覚え、構文を覚える事が
英語を覚える事と思ってしまうのです。
この時、共通の目的が失われたままで、長い年月を
努力するのです。
英語の勉強も、社交ダンスのレッスンも、共通して
大切な事と言えば、相手や音楽とのコミュニケーションです。
相手を感じ、音楽を感じ、その時一番的確な表現をする為に
その道具として、様々なテクニックやステップ、単語、ルーティンを
覚えているのです。
大学の先生も知らない様な英語の単語を知っている高校生が
ニューヨークの街角で、小学生と話せないのが現状です。
社交ダンスに於いても、プロ顔負けの難しいステップや
ルーティンを知っている日本人が、ヨーロッパへ行って
社交ダンスの簡単なステップしか知らない方々と
楽しく踊れないのが現状です。
英語も社交ダンスも、沢山道具を知っていても、使えなければ
何の役にも立たないのです。
自分の置かれた状況を的確に判断して、その時一番良い方法で
習った技術を選択でき、2人の世界を作りあげられる人が
本当の意味でも、社交ダンサーなのです。