まだ経験の浅い踊り手や、競技選手を見ていると、
ワルツとスローフォックストロットが、同じような
運動表現で踊れられていて、特にスローの運動が
小節ごとに途切れている方が見受けられます。
その顕著な間違いが、最初のフェザーステップに於いて
表現の終わりが、お互いにＣＢＭＰで、男子が女子の
アウトサイドに出たところで、コントロールバランスを取り
運動が止まっているペアが目立ちます。
ご存じの通り、フェザーステップの終わりは、男子の
左足が前進し、女子が右足で男性のボディを受けるまで
です。
この現象は、男女共に、ワルツムーブメントでスローを
踊っている為です。
ワルツとスローは、ダンスをあまり知らない人からすると
同じように見えるかもしれませんが、全く異なった踊りで
むしろ異質の踊りと言ってもいいのです。
簡単に言えば、スローは流れを止めない踊り、ワルツは
スウィングをコントロールして動きを止め、新たに動きを
作る踊りです。
ステップで言うと、ワルツは、カウント１でスウィングを
行ない、カウント２から３にかけてライズを継続し、
動きをコントロールしてから新たに新しいスウィングを
生みます。
スローは、カウント１から２にかけてダウンスウィングした後
カウント３では、身体を上昇させず、ステップの上を
通過するように踊り、カウント３では、すでに身体は低く
成り始めています。
つまり、ワルツは、落ち葉が舞い落ちる時の様に、
風で上昇した葉が、何度も上下動をする様なもので
ブランコの様な運動にになります。
しかし、スローは、丘を越える風の様に踊ると言う様に
緩やかな波の上を越えて行く様に踊ります。
スローが上手く踊れない方の多くが、ワルツの様に
カウント３，４で上昇し続けています。
技術説明に於いても、カウント３，４はアップであり
アップとはこれ以上上ってはいけないという事であり
ワルツの、カウント２，３のライズ継続とは全く違った
異質の踊りなのです。
ライス＆ファールを良く理解すれば、二つの踊りが
全く違う踊りであることが理解できると思います。
更に、スローとクイックステップはその起源が
同じフォックストロットと言う踊りに在りますから
スローと同じライズ＆フォールに注意が必要です。