社交ダンスが、中高年の趣味として定着した事により
多くの方々が楽しむようになりました。
かつては情報も少なく、海外からビデオを取り寄せたり、
少ない書籍を探したりと、技術を上達させるために
様々な努力をしましたが、今では、ネットを通じたり、
多くの書籍やDVDを簡単に手に入れたりと、
誰でも、容易く世界の情報を知ることが出来る様になりました。
その為、アマチュアの方でも、プロ並みの知識を持つ方も
多くなり、様々なテクニックを知っている方も増えました。
しかし、多くの方が昔と比べて、一向に上手くならないのは
何故でしょう。沢山のステップを覚え、テクニックを知っても
現実的には、うまくなっていると言うより、踊り辛くなっている様に
思えてなりません。
昔と比べて、アマチュアの方は格段に多くのステップを
踊っています。
しかし、2人の踊りは、お互いにノルマを果たす事で精一杯で
2人が生み出す踊りとなっていない事が多いと言えます。
プロや競技選手の様に、絶対的に練習量が足りている場合は
良いのですが、踊りこなせない、2人で消化不良の踊りが
目立ちます。
ただ、ルーティンが間違いなく踊れれば社交ダンスだと思っている
残念な方が少なくありません。
まるで間違った英会話の練習の様に、単語と構文を一杯覚えて、
相手の顔も見ず、気持ちも察する事も無く、一方的に
おしゃべりをしている様に見えます。
社交ダンスを踊るという事は、お互いに気持ちが通じ合って
ステップが踏まれ、表現が生まれてくるのです。
現在、日本のアマチュアの方は、ヨーロッパのアマチュアの人より
沢山のステップを知っていて、練習熱心と言われます。
しかし、海外の方からすると、踊りににくく楽しくないと言われます。
特に、キャリアが有ったり競技をしたりしていたと言う人ほど
踊り辛いと言われます。
日本人は、正しいと思われる事をしっかりと守り踊ろうとします。
先生から習った通り踊ろうとします。
しかし、それは習った人としか踊れません。
社交ダンスは、踊る相手の数だけ踊りが有ります。
その相手が喜ぶ一番良い社交ダンスを見つけながら踊るのです。
これがコミュニケーションであり、思いやりのあるダンスです。
技術が余りなくても、相手と踊る気持ちが伝わると、
少ないステップでも、楽しく踊れるのです。
社交ダンスの一番大切な技術は、相手の事を感じることです。