競技会や資格テストを見ていると、ワルツとフォックストロットが
同じ様な運動に見えるペアがかなり見られます。
ワルツのカウントは、1.2.3.スローのカウントはスロー、クイック
クイックと足型に体重を乗せながら、どちらもスウィングすれば
踊れそうですが、音楽の表現となると、違和感が生まれます。
スウィングの説明は、プロのデモンストレーションの様に、
音楽の内容から、演奏者、ボーカルの心情、更には二人が創りだす
創造的表現が一曲を通して求められると、基本の運動から、更に
飛躍したものとなり、文面としてはとても説明しきれませんが、
一般的に、皆さんが演ずる時のポイントを書いて見ます。
足形だけを考えると、同じフィガーも数多くあり、ライズ&ファールで
スウィングしても、ワルツとスローの表現にはなりません。
大切なことは、ライズの仕方と表現の違いです。
ワルツのリズムである、1,2,3、は表現的なカウントでいうと、
クイック、スロー、スローです。
初心者に多いのは、カウント1で床に低くなり、カウント2,3で
高くなります。表現的に言うと、スロー、クイック、クイックです。
ワルツは、カウント1を聞くときは、カウント3で開脚した足の
どちらかに体重を集め、次に、ボディサイドに開脚して、両足が床を
キャチした瞬間からカウント2のクローズが始まります。
この、次第に上昇しながらクローズしていく様が
ワルツの基本表現です。
スローは、前の小節の最後に両足を開脚して、前足か後足に
体重を引き付けるとき、次の小節の音楽が始まります。
最初のカウントは、スロー、つまりカウントが1,2と
二つのリズムを使います。
この時ワルツと異なるのは、この二つのリズムの間に、
身体を引き付け、次の方向に足首で蹴らないで、
ノーフットライズで前方または後方に進行性の運動をします。
ワルツの場合は、一旦ボディのサイドに体重を集めコントロールして
減速します。
しかし、スローの場合は、最初のクイックの足で止まらず、
その先の二つ目のクイックまで身体をライズさせないで
通過するように踊ります。
つまり、ワルツのライズは、止める為のコントロールライズであり
スローのライズは、先へ繋げるためのプログレッシブライズ
なのです。
その為、ワルツは、カウント2~3にかけライズの継続が有りますが、
スローは、丘を超える風のように止まる事が有りません。
良く見かける踊りは、スローを踊る時、小節の後半で減速してしまい
ワルツのように止まって見えるペアです。
スローフォックストロットとクイックステップは同じ流れで発展してきて
スピードの差は有るものの、同じ仲間の踊りですが、
ワルツは、全く違った踊りであることを理解する事が大切です。