社交ダンスは結婚生活とよく似ていて、音楽の流れる間
いかに相手の事を考えられるかがポイントとなります。
技術がままならない頃は、自分の事で精一杯で、相手は
自分が踊る為のパートナーに過ぎません。
その為、自分が信じて行うステップや表現は、相手にとって
正しい事と思いこんでしまい、自分のリードやフォローが
相手には喜びであると勘違いしてしまいます。
つまり、恋愛、結婚のハウツーが幸せの極意と信じてしまいます。
身体を動かし、ステップを覚えている時は、ダンスが楽しくて
まるで新婚生活の様に頭の中はダンスばかりとなります。
しかし、月日が経ち、お互いの心のすれ違いが生じてきます。
それは、自分の思っていた事と、相手が思ったことが違っていて
思い込みで生活してきた事を感じるのです。
社交ダンスに於いても、そこそこ技術が増してくると、
以前より楽しく踊れなくなる時期がやって来ます。
それは、お互いに相手の踊りに目をつぶっていたことが
次第に気になり始めるのです。
しかし、これも上達する過程で生じる事であり、俗にいう
スランプを感じるのです。
この時、大切な事は、もう一度、結婚生活も社交ダンスすも
2人で作りあげているという事を再確認する事です。
一番の問題は、お互いの相手に対する思い込みです。
リードしたつもり、フォローしたつもりが、全く相手には通じず
自分の一方的な思い込みである事が多いのを知ることです。
社交ダンスが、楽しくなくなったり、うまく踊れなくなっている時
多くの方が自分の技術の問題や、相手の技術の問題と思いがちで、
一生懸命練習すれば上手くなると信じ頑張りますが、いずれ
疲れて、ダンス自体も面白くなくなったりします。
大切なことは、社交ダンスは、日々新鮮な思いとテクニックで
踊ると言いう事です。技術は道具であり、今その時の音楽を
2人で演ずるために在るのです。
その為には、いつも、相手の事を気づかい、お互いに相手に反応し
お互いが気持ちよく踊れる様に演技しなければなりません。
昨日上手くいったからと言って、その記憶の下、同じ踊りをすると
思いとは裏腹に、全くスムーズに踊れなくなってしまう事もあります。
社交ダンスは、芸術的スポーツと言われます。
スポーツは、その都度、変化し、瞬間瞬間状況を判断して
運動しないと、思う様にゲームが進みません。
社交ダンスも、同じく、相手と音楽と周囲の環境をその都度感じ
一番二人にとって相応しいその日の踊りを見つけるのです。
結婚生活や、恋人の付き合いが長く続けられるのは、
2人が同じ事を合わせているからではなく、お互いの違いを認め
お互いが助け合って楽しく生きて行けるようにしているからです。
社交ダンスも、男女の足型を合わせ、形を決めて行けば
上手くいくと言うのは、とんでもない錯覚です。
コンタクトを取って、踊り始めたら、相手の身体も心も感じられる様
目に見えない部分での上達が大切です。