憧れの人と初めて手をつ繋ぐとき、ハラハラドキドキして
手の平は汗ばみ、目の前が見えず、相手の事で頭が
一杯になった事を覚えていますか。
初めて異性に触れた時、誰もが心がときめき、手を通して
相手の事で頭がいっぱいになったのを思い出します。
社交ダンスに於いても、基本的には、コンタクト面は
異性と手を繋いだ時の手のひらと同じものです。
しかしながら、事ダンスとなると、自分の事で精一杯で
目の前の人が、踊っている最中に、突然別の人に変わっても
解からないのではと思える方もいる様です。
パートナーと接触する時のコンタクト面は、単にジョイントや
接触面では有りません。
恋人同士も、最初は指先が触れる程であっても、次第に
指を絡め、もっと気持ちが高まると、手のひらをしっかりと
合わせ、全指を絡めた、恋人繋ぎ、と言われる握り方に
なります。
これは、単にしっかりと相手の手を繋ぎたいのでは無くて
より多くの面積に接触して相手の事を知りたいからです。
社交ダンスの二人のボディは、互いに相手を知る為に
深くコンタクトします。
しかし、社交ダンスとなると、目の前の相手を全く無視した
自分の感覚だけの方が多いものです。
素晴らしい踊りと言うのは、指をからめ合う恋人の様に
相手の事を知って、自分が反応して踊るものです。
例え恋人でなくても、相手の年齢、体格、運動能力
性格、等を瞬時に感じ取りながら踊る事が大切です。
社交ダンスが世界中の誰とでも踊れると言うのは、
相手の心に触れる事が出来て成り立つことなのです。
つまり、欧米に於いて、人々のマナーの育成に、
社交ダンスが使われてきた所以がここに有るのです。
いつも踊る解りきった相手であっても、いつも聞こえる
同じ音楽であっても、その都度新鮮な気持ちで感じると
2人の踊りは、とても魅力的で美しくなるのです。