CSという言葉を販売営業に携わる人なら聞いたことがあるだろう。
CSの向上。
CUSTOMER SATISFACTION 顧客満足
私も某本屋で働いている時に本社研修に行ったり、店が入っているビルの研修に行ったりした。
今日、サービスは商品となっている。つまりお金でやり取りする価格のつけられる物へと。
サービスって、売買するものか?
それに値段をつけることによって、日常の“(無償の・見返りを求めない)贈り物”が滞っているのではないか。
マオリ族の【ハウ】について語れるほどまだよくわかっていないのだけれど(だから各々調べてください)、
【タオンガ】(最初の贈与者から第二者第三者……へと渡されていき、第X者がそれを価値のあるものだと意識した時に初めてそれが贈り物・タオンガだと認識される)の連続で生命は続いているんじゃないのか。
変な話、生命活動において【ハウ】(贈り物の霊。第X者がそれをタオンガだと認識した時に生まれる反対給付義務。第X-1者から最初の送り主まで遡る)の反対給付はおおむねできないと思う。せいぜい自分の親世代までだろう。赤ん坊の時にお乳を与えてくれてありがとう。大きくなるまで育ててくれてありがとう。それを自分が親になった時や大人になった時にタオンガだと認識するとする。それを親に返す。ハウが返ってきた親もやはりそのまた親に育てられているわけで、だからまたハウを返そうとするけど親は亡くなっていることがあるだろう。そうするとハウが滞ってしまう。物を貰った時にお返しをしないと気持ちが落ち着かないもの、心理的な負責感が発生する。そうすると困ったことになってしまうから、
生命は親や周りのひとから育ててもらった恩をタオンガだと認識しないようにしているのではないか。
それは恩知らずということではなく、無意識的にタオンガとは思っていてもタオンガにしないようにして、じゃあ無意識的タオンガを自分が持ち続けていることもできないから、次の人へ渡すという行為、育てる、ということにつながっているのじゃないか。
だから自分より弱い者に対して何かをするという行為は慈善でも偽善でもなく、だれもが持っている無意識的タオンガの連続でしかない、ごくごく普通のことなんだと思う。
無意識的タオンガを持ち続けちゃうから、威張り散らしたり、傷つけたりしてしまうのではないだろうか。
で、サービスの商品化は、与えられた側が認識するはずのタオンガに、贈与者が始めから価値をつけ無理やりタオンガにしてしまう行為なんじゃないのか。
押し付けがましいって、そういうことだよね。自分にとって価値のないものを、勝手にタオンガだと言い張られて渡されてハウという仮面を被った見返りを求めるって図式。
あなたにとって大切なことなの。親や先生からこどもらによく言われる。贈与者が第二者に与えたものを価値のあるものだと思っていることまでは問題ないけれど、それを、価値のあるものなの、と添えられて出されたら贈り物を受け取ること自体を拒否してしまう可能性だって高い。そこで連綿と続いていたある一つの無意識的タオンガが消滅してしまう。
こどもらを育てる理屈はわかりやすい。特に自分のこどもは可愛いだろう。
では死が近い高齢者を世話することは、どんなことだろう。
私は高齢者介護の経験が全くないから机上の話になりがちだと思う。
昨今結婚が紙面上法律上の関係になっているが、結婚はパートナーとお互いの無意識的タオンガを分かち合うことじゃないのか。勿論その二人の間に無数の意識的無意識的タオンガが発生すると思う。それだけじゃなく、各々の人生で集めてしまった無意識的タオンガの共有。だからパートナーの親は義父義母ではなく父母になるのではないか。
じゃあなんで結婚するのかは、街場のメディア論・内田樹著でマオリ族の話と同じ章で書かれていたのだけれど今ちょっと頭がこんがらがってきたからそれはまた後日。
こんがらがってきたからすごくばっさり言ってしまうと自分より弱いものの世話をするのは生命活動の反対給付義務。
お年寄りが自分の家で亡くなることが少なくなり、病院、果ては老人ホームまで離れてしまったことで、死が生活から隔離されてしまった、というような話はまま耳にするけれど、
無意識的タオンガの受け取り先がいないことによる消失も大問題なんじゃなかろうか。
無意識的タオンガがなくなり続けたら生物は滅ぶと思う。
でもその無意識的タオンガを無理矢理意識をさせてしまうとハウによる反対給付義務で自分を育ててくれた人への感謝しかなくなって、その人たちが亡くなってしまったらその人は贈与関係から外れる、社会から離れることになってしまう。
高齢者介護施設やデイサービスをなくせということではなく、一人で抱えきれないことも多いだろうから、
それが金銭でのやり取りだと思うのは止めた方がいいんじゃないかという話。
無意識的タオンガを獲得できない人らが殺傷事件を起こしてしまうのではないのか。
逆タオンガ、自分にとってマイナスのものを与えられた人のハウ、復讐はその連鎖反応なのかな。そしてそれも続いてしまう。逆タオンガは誰かが意識的に消滅させなければいけないんだろうな。
ホントは死刑についてもちょろちょろ書きたかったのだけれど、オーバーヒートしているのでまた次に回します。