ブログネタ:ひとつだけ楽器がプロ級に弾けるようになるとしたら、どの楽器?
参加中周知の通り、移り気で飽きっぽくて欲張りな菜之花ですので、「一つだけ」というのは非常にシビアだったりいたします。それこそ口でハーモニカを弾きながら手でキーボードを叩いて足は同時にドラムを蹴る、というのが理想だったりいたしましたり。
(以前、パリの街頭でそんな人を見かけたのですが、その器用さに圧倒され、心の中で「師匠」と呼ばせて頂いております。
それなのにたった1フランしか見物代を差し上げなくてお許しくださいませ、師匠)
まあ、そこまでいくとプロ級どころか神様になってしまう恐れがありますので、取り敢えず古代ギリシャの吟遊詩人のように、キタラで弾き語りが出来たらなーと夢見るのですが。だって格好いいじゃん。ぽろんぽろんと弦を鳴らしながら、「おお、ムーサイの女神たちよ、これから英雄アキレウスを称える歌を歌いますから、耳の穴をかっぽじってよおく聞いておれ」なんてやるのは(歌詞は多少違ったかもしれない)
…問題は幾らキタラがプロ級に弾けたとしても、菜之花の声ではたちまちそこら辺の家の窓から花瓶が飛んでくるだろうというところですが。
なんせ自慢になりませんが、菜之花の声は本来、大型客船の霧笛に生まれてくるはずだったのが間違って人間になったんだろうと思われても文句言えない代物でして。それこそ今は亡き叔父が「赤ん坊はおぎゃあおぎゃあと泣くはずなのに、何でお前だけ『ぎゃおおぎゃおお』なんだ」と溜息交じりに生まれたばかりの菜之花に言ったというのが未だ親類の間で話題になるぐらいです。
声質はドラ○もんに近いのに、その上極度の音痴だし。「エリーゼのために」の出だしを歌えば、居合わす人々の30%は「星に願いを」だと思い、30%はヘビメタの新曲だと言い張り、はたまた残る40%はどこかで豚が絞め殺されていると断言するほど。
この声で「イーリアス」なんか弾き語りしたら、ヘクトルがわざわざトロイ城門の前で一騎打ちをしなくても、門が倒れてきてアキレウスもろとも全ギリシャ軍を押し潰してくれるだろうと考えられます(モンティ・パイソンだな、まるで)
…もっともその章へたどり着くまでに、既に全員耳を押さえて逃亡しているだろうけどね。ふっ。
では、一応声も楽器なのですからそれをプロ級に、と願うかというと、そういうわけでもない。
だって自分にはそれほど音程を外しているように聞こえないんだもん。外している、というのはたまたま私の声を聞くことになったお気の毒な人たちの感想であって、菜之花の耳にはちゃんと「エリーゼのために」に聞こえるんですから。
これは何でも身体が共鳴体になっているからだそうで、自分に聞こえるのは体内を通しての声であるため、空気を通じて外部に伝わっているものとは異なるから、らしいですな。テープなどで自分の声を聞いてもそれらしく聞こえないのはそのせいだそうで。
となると、もし菜之花の声が外部に美しく聞こえるようになったら、今度は私自身には星に願いをやメタリカや豚の断末魔が聞こえてくるかもしれないじゃないかー!
……。
お断りいたします。切実に。
ところで、習うとしたら最も難易度が高い楽器とは一体どれかというと。
無論、どんな楽器にも独特なテクニックがあるわけですから、比較しても仕方がないのは確かですし、その楽器の前に別のものを弾いていたかどうかによって、難易度も変わってくるかと思います。素人がいきなりビオラを習い始めたら大変だけど、その前にバイオリンを習っていたらすぐに弾けるしね。
では、本当にそれが初めての楽器、ということでちょっとあちこちの掲示板を調べてみましたら、パイプオルガンとハープが一番難しい、という意見が一般的なようです。確かに言われてみれば十分想像がつく。
(実際はどちらもピアノから入る人が殆どだと思えるので、そうなるとまたちょっと違うのでしょうけど)
…ところが、です。
この二つよりももっと難しいとされている楽器があるというのは、皆さんご存知でしょうか。
いえいえ、それはオルガンのように荘厳な楽器ではございません。ハープのように優美でもないね。バイオリンのように甘くもなければ、ピアノのように力強くもなく。だけど破壊力だけはおそらくそれ全てを合わせても、まだお釣りがくるぐらいかもしれないけど。
その楽器とは――
「バグパイプ」
…何だ、それは!という人も多そうですが、まあちょっとお待ちを。
バグパイプ奏者は他の演奏家に比べて遥かに指先が器用である必要があり、実際に比較してみれば本当に彼らが最も早く指を動かせるらしい。それなのに、週に僅か5時間から15時間練習しているだけで強烈な筋肉痛になるほど体力も消耗する。しかもバグパイプの場合、クラリネットのようにリードを使って笛を鳴らすんですが、これが一枚ではなく、四枚もあるんですね。
実は菜之花も以前、バグパイプを弾ける知人にちょっと触らせてもらったことがあるんですが、一時間弄っても音らしいものはピーともプーとも出ませんでした。一緒に居たチューバ奏者の友達は、かろうじて音を出すことには成功したものの、とてもとてもそれを操るところまではいかず。
弾いているのがスカートを履いた可愛いオジサンたちなので誤解され易いかもしれませんが、あれが一番難しい楽器だといわれたら納得するね、私は。
…というわけで。
ひとつだけ楽器がプロ級に弾けるようになるのなら、あのアヒルが発情したような音が好みかどうかは置いておいて、バグパイプが最もお得だということになりますな。後は素敵なキルトスカートを買って、友人知人隣人を何とか説得するか、彼らと絶交すればよいわけですから。
どうです、あなたもバグパイプで「エリーゼのために」を一つ。