バンクーバーオリンピックでメダルいくつ取れる? ブログネタ:バンクーバーオリンピックでメダルいくつ取れる? 参加中


 え!?誰が?――私が?

 …と、すぐに青くなってしかも真剣に考え込む菜之花は、自意識過剰の上にブログネタの質問しか読まず、詳細もつながりも殆ど見ていないというのがバレバレです。

 まあ仮に「あなたが」という質問だったとして「うーん、今回はあまり調子が良くないから金メダル三つぐらいかなあ。だけどもうちょっと早起きして朝食も食べて頑張れば、銀も後一つぐらい取れるかもなあ」なんて言える人は日本のみならず、広い世界を探してもあまりいない、と考えるのが当然なんでしょうが。

 手っ取り早く先にこのネタの質問だけにお答えしてしまうといたしますと(「ブログネタなんてテキトーに何か書いちゃえばいいんだよー」とアドバイスしてくださったMさん、ありがとうございます)

  分かりません。存じません。申し上げられません。

 …いえ、菜之花もこうは見えてもスポーツを観覧するのは結構、好きだったりいたします。ルールは全く分からないんだけどね。それこそ何度も何度も何度も周りから怒られて、漸く「オフサイド」が何なのか理解したのが大学院を卒業した頃だったにも関わらず、小学生の頃からサッカーのワールドカップを見ていて、ゼップ・マイヤーを指差しては「あ、ベッケンバウアー」なんて言っていたぐらいですから(誰です、オフサイド以前に問題あるだろうと仰るのは)

 テニスも見ますし、クレー射撃も見ます。トライアスロンもマラソンも陸上競技も…あ、冬季オリンピックでしたね。勿論、フィギュアもスキージャンプも見ますとも。スピードスケートもかなり好きですし。

 但し、くどいようですがルールは分かりません。菜之花が昔、やっていたスポーツは僅かハンドボールと卓球だけでして、それ以外は全て謎と神秘の世界です。何しろ一度、帰国中にテレビで高校野球をやっていて、その時生まれて初めて野球の試合を見たのですが、一回目の表と裏で「なーんだ、もう終わりじゃん」と言ってテレビを消そうとした人間ですので。

 では何で分かりもしないものを延々と見ていられるかと言いますと。

 第一に観客が熱中している様子を見るのがとても好きだったりします。応援歌とか、ウェーブとか。マイアミではこれまた全くルールが分からないアメフトのオレンジボールを見てきましたが、長年アメフトばかりやってきて、大学も会社もアメフトのおかげで入れてもらえたんだろうと姉に苛められる弟が隣に座り、この無知な姉の質問(何であの人たちあそこで重なってるの~?みたいな)に一生懸命答えてくれたにも拘らず、お馬鹿な姉は試合よりもその前のパレードが素敵だったなーとうっとりとする始末。

 次に「絶対自分には出来ないことをやっている人を見て感心する」という高尚な(?)楽しみがあります。まあテニスだろうとサッカーだろうと、どのスポーツも人様の前でやってお金まで頂けるような腕にはならないことは確かなんだけどね。でも才能以前に幾ら教わったとしても出来そうにないものってあるじゃないですか。例えば菜之花は極度な高所恐怖症なので、スキージャンプと飛込競技はかなり好んで見ます。何しろあんなところに立って飛び降りたり、滑り降りたりするのが菜之花ではないという快感が非常に宜しい。それに私にとっては、そんなことが出来る人は全て背広を脱いだクリプトン星人ですから、リアルタイムで特撮映画を見ているような気分に浸れますヨ。
 
 まあ他にもいろいろ理由があって、結果的にはオリンピックだワールドカップだデイヴィスカップだというと、ついテレビをつけてしまう菜之花ですが、それでもメダルの数だけはお答え出来ません。
 ……というのも、私がスポーツに関しまして確信持って言えることは、必ず応援している方の不運を呼び込む達人だということでして。

 「今日は絶対イギリス代表が勝つ!こんな相手チームに負けることはない!どう考えても最低2点は入れる!」と胸を張れば張るほど、その日のイギリス代表はチームの半分がお腹を壊し、後半分は時差ボケか何かで、相手に2点取られてもまだ現実を把握出来ないままぼーっと突っ立ったままだったり。

 「この選手ならショートプログラムは楽勝楽勝。確実に三位以内に入りますね。いやー、綺麗なスパイラルが楽しみだねー」と言っていると、その選手は初めの二回転アクセルで転倒してお尻で氷を掃き清めた後、残り時間の大半は両手で氷のお掃除を続けたりするし。

 「ああ、あの馬ね、この間のトーナメントの時に殆どの馬が拒止や逃避しそうになった障害物にも勇敢に挑んでいったんですよー。今日はかなりいい点数を叩き出しそうだし、もしかして全く減点なしでいけるかな。ははは」なんて偉そうに言おうものなら、その有能な馬くんは途中の水壕を飛び越えるのに失敗、やる気をなくしてしきりに「もうボクおうちに帰りたい」をアピールしたり。

 ……そんなことは偶然だし、そこまで先読みできるはずはないし、あんたの所為ではないよーと言って下さる方。お優しい言葉ありがとうございます。菜之花は感涙に咽びます。

 ですが、私の周りには大切な試合の前になると、「菜之花は今日どちらも応援するな、出来ればテレビつけないで大人しくしていろ」と真顔で言う友人もいるところを見ると、どうしても軽く「日本はオリンピックで○個のメダルを取れますよー」とお答えする気になれないわけでして。

 それでも。

 あの選手さんとか、この選手さん、頑張って欲しいなー。今年は調子良かったようだし、練習も順調ということで、今回こそは――

 おっと、危ない。


 ――Vocare argentum, tacere aurum est.