いい曲とともに
銀座の山野楽器へ行くと必ず昭和歌謡のCDを買ってしまう。
私は自宅にいる時はいつも音楽を聴いている。
顔を洗う時も歯を磨く時も。
無音で風景を楽しむのもいいが、やはり車で走っている時はカーステで音楽を聴くと雰囲気が出てテンションも上がった。
学生時代は自分の好きな曲をテープに入れて、オリジナルの自分だけのカセットテープを作って車で聴いていた。
吉田拓郎の「落陽」はいい曲だ。
主人公が旅先の北海道で出会ったバクチ好きの老人の人生に、聞き手は感情移入してしまう。
哀愁ある旅情の曲だ。
「旅の宿」もいい。
好きな女の子を連れ出し温泉に宿泊。
浴衣に熱燗、腕枕・・・。
野暮ではなく、あくまで風流に吉田拓郎は歌う。
男なら誰しも一度は夢に見る旅のシチュエーションだろう。
チューリップの「心の旅」も思い出の曲だ。
恋人との幸せを取るか、それとも自身の夢を追いかけるのか。
恋人への未練をにじませながらも、旅立ち前夜の男の心境を痛いほど見事に表現している。
チューリップ最大のヒット曲だ。
荒井由実の「ルージュの伝言」もひとり列車に乗って、浮気したパートナーの母親の家に向かう旅の歌。
切ない旅だがいい曲だった。
音楽はその時の情景を思い出させてくれる不思議な薬だ。
あの時にあの場所であの曲を聴いていた若き自分と再び出会う。
そして、人はいい曲を聴きながら歳を積み重ねてゆく。
10代、20代、30代と人生の扉を開けてきたら、もう70代の扉を開ける年代になってきた。
自分の人生を振り返って満更でもなかったなと微笑むことができる。
音楽が自分の人生に彩りを与えてくれた。
人はいい曲とともに伴走して生きているのかもしれない。
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