決めて諦めてはいけない!
60歳を過ぎても求められれば若い人を相手に人生を語り続ける。
人としての生き方、ビジネスマンとしてのプロ意識。
挫折と苦悩の後に来るもの。
人生など全てうまくいくほど甘くはない。
受験で何度も失敗し敗北者としての暗澹たる思いを抱く時もあるだろう。
成人の日に浪人をしていて恥ずかしくて成人式に参加できない時もあった。
毎日の受験勉強の日々がきつくて、ふと海を見たいという衝動に駆られて辻堂駅に降り立った。
辻堂の海岸に座って海を何時間も眺めた。
海は広く大きく美しかった。
冬の海の美しさを知った。
社会人となり厳しいノルマに押し潰されそうになることもあった。
夕刻までにノルマを達成しなければ鬼のような上司からの激詰めが待っている。
しかし正午過ぎになっても当たるべき見込先は皆無。
対象先からは全て断られている。
上司への報告まであと6時間しかない。
勇気を振り絞って新規大口見込先で張り込みをする。
午後3時に当該社長がゴルフより帰宅。
丁度、50回目の訪問の日であった。
受付で社長にお会いしたいと告げるが取り合ってもらえない。
反射的に非常階段を駆け上がって社長室のある8階の扉を開ける。
非常ベルが鳴り響き、ガードマンに身体を拘束されてしまう。
万事休す。
しかし、その騒ぎを聞いて社長が社長室から出てこられた。
営業の神様が私に微笑んでくれた瞬間だった。
私が「野村證券の市村」と名乗ると、社長は私のことを受付の女性から何度も来るセールスだと聞いてくれていた。
そして、社長室へ通され、私は目の前の社長に一生懸命に日本石油の株の購入を勧めた。
昭和58年9月7日に私は初めて10億円の注文を受注した。
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おかげさまで7刷り御礼!
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