ベンチャー企業のトップに必要なもの
上場している大企業であっても企業経営は容易ではない。
それでも大企業には優秀な人材がいる。
組織も固まっている。
故に、数年間をトップが大過なく経営していくことは可能となる。
ところが、ベンチャー企業は組織的に脆弱であり、常に色々な課題・問題を抱えている。
そうした問題を解決しながら挑戦を繰り返し、勝ち抜いていくのは大変な試練でもある。
私はファーストヴィレッジを創業する時に、証券時代に可愛がっていただいていたイトーヨーカ堂の伊藤雅俊さんに挨拶に伺った。
最初に私がKOBE証券(インヴァスト)の代表取締役を辞めて、新たに起業することを話すと、伊藤さんは「市村さん、三重苦になるよ」と言われた。
1つはお金は銀行が出してくれないこと。
資金面で苦労すること。
2つ目は、今までの取引先はすぐに取引をしてくれないこと。
お客様はゼロから新規開拓となること。
3つ目は人の採用と教育で苦労すること。
以上3点を言われた。
伊藤さんがイトーヨーカ堂を創業した時の話を私にして下さった。
最後に「頑張りなさい」とデニーズの飲食券を1万円分頂いた。
私はファーストヴィレッジを18年前に創業したが、伊藤さんの指摘通りであった。
会社の盛衰を決めるのは人だと言っても過言ではない。
だから人材の育成には常に力を注いできた。
期待して大切に育ててきた人間が途中でリタイアしていくことも数多くあった。
ベンチャー企業のトップとは、そうした色々な問題をいつも山ほど抱えながら経営しているのだ。
しかし、私はそうした経験を嫌だと思ったことはない。
なぜならば、それが私自身の成長につながると確信しているからだ。
私に対する全ての試練が私の人間的成長を促してくれている。
人は仕事を通して自分自身を磨き、高めていくことができる。
何ごとも動じない経営者にならねば、ベンチャー企業のトップは務まらない。
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