量をやらねば質はわからない
昭和の時代、戦後から平成の始めまで日本人は実に良く働いてきた。
無我夢中で働いてきた。
生きるために働いてきた。
私は昭和の時代の最後の数年を野村證券で働いたが、朝早くから深夜まで目標数字に拘り抜いて働いてきた。
目標は単に掲げるものではなく、死力達成するものと上司から身体で教えられた。
ノルマなどという甘い言葉ではない。
絶対にやらねばならない神聖な数字であった。
その目標数字を達成するために、準備に準備を重ね、あらゆる方法を考え抜いた。
対象先の選び方に間違いはないか。
相手先に自分のオファーする金額を購入するバジェットはあるのか。
その根拠は?
クロージングまでのセールストークに死角はないか。
ストーリーテリングは完璧か。
全ての質問は想定できているか。
質問への返しは完璧か。
プレゼンテーションの資料は簡潔に、しかも相手社長の見易い文字の大きさになっているか。
誤字、脱字はないか。
始めの面談のアイスブレイクは何を話題にしたら自然か。
小ネタはいくつ用意しているのか。
私にとっては野村證券で働いた「あの20代」があったから今があると断言できる。
新人は一日に200軒の無差別絨毯爆撃的飛び込み営業。
東大を出ていようが立大だろうが、学歴など入社したら全く関係ない。
要は数字を作ってきた奴が一番偉いという数字至上主義の価値観。
令和の時代の今では色々と批判もあろうが、私は20代の時に圧倒的な仕事量をこなしてきたから、営業の「質」というものがわかった。
量をやらなければ質はわからないということを知ったのだ。
極めた質を更に量をやるから、周りに私に勝てる者は30歳の時に野村證券で一人もいなくなっていた。
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