米国の動向に注意
米連邦準備理事会(FRB)は5月3日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決定。
①相次ぐ米銀破綻で金融システム不安が高まっているが、インフレ抑制を優先。
利上げ打ち止めの可能性も示唆したが政策金利は16年ぶりの高値水準に達しており、急速利上げに伴うひずみとインフレ抑制の狭間にある。
②政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利は5.0~5.25%となった。
2007年以来、約16年ぶりの水準。
リーマン危機前の利上げの到達点に並んだ。
2022年3月のゼロ金利解除以降10会合連続の利上げ。
1980年以降で最速ペース。
③5月1日に米地銀ファースト・リバブリック・バンクが破綻し市場が動揺。
米地銀破綻は3月10日のシリコンバレーバンク以降3件目。
④FRBのパウエル議長は5月3日の会見で、相次ぐ米銀破綻に対して「銀行システムは健全で強靭」であると発言。
⑤株式市場では次の破綻を警戒して地銀株が下落。
⑥FRBが利上げを継続した理由は、物価上昇率が目標の2%を大きく上回っているから。
FRBが重視する個人消費支出物価指数はエネルギーと食品を除いたベースで3月も前年同月比で4.6%に上昇。
物価上昇率の高止まりに強い警戒心。
⑦パウエル議長は金融システムの安定に向けた取り組みと物価を抑制する金融政策を分けて対応する考え方。
⑧預金流出の激しい地銀株が売られ、不安心理の広がりが金融システムを揺るがす懸念は残る。
⑨多くの銀行が融資基準を厳しくし始め、企業や家庭の資金調達の環境が悪化して景気を下押しするリスクも高まっている。
⑩3月の米銀破綻は、預金の急速な流出と満期保有目的債券のリスク管理不備が主因。
破綻行の預金を保護するためにFRB中心に素早く資金供給手段を提供。
今後も米国の金融政策を注視すべし。
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