天国の父からの手紙 | いっちゃんのひとり言

天国の父からの手紙

貢、良くここまで頑張ってきたな。

大宮の北袋町に誰の力も借りずに新しい家を家族のために創ったんだな。

すごいな。

俺は貢のために何もしてやれなかった。

貢のお母さんとはお前が小学校に入ったらすぐに別れてしまったし、あの頃からお前に寂しい思いを随分させてしまった。

それでも好きな野球に打ち込んでいるお前を見ていると、俺も元気付けられた。

お前が中学校に入学して、俺は日頃の不摂生が祟り、お前が中学校の2年生の時に天国に来てしまった。

ごめんな。

葬式の俺の柩の前でお前は誰憚ることなく泣きじゃくってくれた。

本当にごめんな。

お前の「お父さん」と言う声が本当は聞こえていたんだよ。

お父さんの夢は貢と2人で大宮の南銀の酒場で酒を飲むことだったよ。

ぶっかき氷に焼酎入れて、つまみは何でもいい。

お前と2人で想い出話が出来たら良かった。

でも、貢は俺が死んでからも一生懸命必死に生きてきたな。

天国からお前が頑張っている姿を良く見ていたよ。

曲がりそうになったり、折れそうになってもお前は仲間とともに乗り越えてきた。

いい友達を沢山持ったな。

俺は羨ましいよ、お前が。

貢が「栄光の架橋」を唄うと、俺の所まで聞こえてくる。

小さな会社だったお前の会社も今や西新宿の立派なビルにオフィスを構えて大所帯になったな。

石垣島のお母さんの親戚も皆、招待してやってビックリしていたな。

お前は本当に親孝行な奴だ。

今回、お前の新築祝いのために何をやろうか考えたが、ファーストヴィレッジの市村さんにお願いして、小さい頃の悩んでいたお前に似ている置き物を贈ることにしたよ。

いつか見ていろよと考えているお前の姿だ。

男は生意気ぐらいがいいんだ。

大きな夢を持っていたから新しい家も創れた。

大きな会社も出来てきた。

貢、お父さんは今、本当に嬉しいよ。

お前が困難を全て乗り越えて今があることを誇りに思える。

お前は慢心することなく、もっともっと上を目指せ。

大きな夢を持て。

お父さんは天国からお前を応援している。

お前の身体の中で今もお父さんは生きているからな。

頑張れ、貢。

令和5年5月吉日

 

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