今回の都知事選に思う
今月行なわれた都知事選では、予想通り舛添要一氏が211万票を獲得し当選をした。次点の宇都宮健児氏の倍以上の得票を舛添氏は得た。しかし、投票率は都知事選で過去ワースト3に入いる46%という低い数字であった。
東京に大雪を降らせた次の日であったにもよるが、今回の都知事選は全く盛り上がらなかった。
小泉純一郎元首相が、ほとんどの人が忘れていた細川護熙氏を「脱原発」の単一テーマでかつぎ上げてきたが、2005年の郵政の時と違って風は吹かなかった。
とういうより40代以下の人は細川氏を知らないのである。ダウンを着た背中のまるまったオジさんとしか見ていなかったのである。又、PR活動も戦術上失敗に終わっている。
小泉氏の得意とする単一テーマでの議論の場に、他の候補を引きずり出す時間がなかった。
劇場型選挙にならなかったのである。
今回、都民が求めたものは原発などのエネルギー問題ではなく、医療や福祉の問題であり、景気や雇用の問題だったのである。つまり、生活に密着したテーマを訴えた舛添氏に支持が集まった理由がそれである。
結局、細川氏は3番手の95万票に終わったが、元航空自衛隊の高級幹部であった田母神俊雄氏がなんと61万票も集めたのには内心驚いた。
朝日新聞の出口調査によると、田母神氏に投票した人達を分析した結果は、
① 若年層が多い。20代の24%が投票している。若者のフラストレーションの表れか。
② 男性が多い。投票者の男女比は1.7:1。舛添氏は1:1。
③ 原発ゼロはNG。「ゼロ反対」層のうち29%が投票。
④ 日本維新の会支持層と重なる。
⑤ 自民支持層の16%が投票。
田母神氏の61万票は、日本の中国・韓国への対応強化を若者を中心に訴えているのかもしれない。
弊社担当小野寺までお問い合わせください。