1億6600万円の年収
野村證券の社長の年収が1億6600万円と開示された。
著しく低い年収に驚いた。
40代でもらっていた年収にも満たないのか。野村をリタイアし正解だったという事か。
約2万人を率いる日本の証券最大手の社長の年収が10億にも達していないのである。ゴールドマンサックスのCEOならいくらもらっているだろうか。
日産のカルロスゴーン氏は約10億の年収を取っている。当然だと思う。つぶれそうになった日産を見事に再建したのだから。
野村證券の現社長も就任後、野村の時価総額を3倍にし、株式価値を高め株主に大いに喜んでもらった。しかし、1億6600万円の年収しかもらえない。
不祥事が起きれば、金融庁から首を切られ、今までに何人の野村の社長が引責辞任を強いられたか。
田渕義久氏も大蔵省ににらまれて損失補填の問題で若くして退いた。酒巻英雄氏も総会屋の問題で野村を守るため財界から消えていった。渡辺賢一氏も情報管理の不備により辞任した。
つまり、証券会社の社長のポジションはリスクが高いのである。何かあれば全責任は理由のいかんを問わず、最高責任者である社長が取らねばならないのである。
上場会社の役員の平均年収が3600万と聞いた事があるが、この数字も中堅企業の社長の年収と変わらない。役員と言えば、単なる期間工に過ぎない。いつ、役員の立場を失うか株主総会次第である。1年や2年の期間で立場を失ってしまう非常に不安定な地位にいるのが、上場会社の役員なのである。
私はもっともっと上場会社の役員の年収を欧米並みに引き上げるべきだと思っている。又、トップ官僚の年収も今の倍以上出すべきだと思う。
同時に役員の数も、官僚のトップ層の数も大幅に減らすのである。もちろん、政治家の数も。そして、もっと迅速に決断を下せる少人数の経営陣にしたら良いと考えている。
船頭多くして舟木に登るでは困るのである。
責任ある立場の者はリスクもある。それを充分に担保してあげる年収を出すのも株主と国民の使命だと思っている。
日本のマスコミの論調である嫉妬とやっかみからは生産性は高まらないし、真のリーダーは生まれない。
国際社会の中で勝ち残っていくためにはリーダーになりたいと思う人が数多く輩出される仕組みを作らねばならない。金だけではないが、せめてリスクに見合う報酬は出してあげるべきだと私は思う。
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