・・・・・・・っということで、いろんなゴッホの映画があるけれど、この40分という短い作品ほど心が打たれるものはないでしょう。
(Amazonプライムで観られます)
ときにゴッホ自身の言葉で語られたり、美術研究家の言葉で語られたり、映画監督の言葉だったり、実に自由な語り口です。
短いけれど、ゴッホはどんな人物であったかを実に緻密に描いています。
冗長さは一切なく、本質に直接切り込んでいます。
短い37歳(?)という生涯の中で900枚もの絵を残しています。
生前に売れたのはたったの1枚。
ゴッホは紛れもない天才ですが、彼独特の技法を手に入れるまで、ものすごく研究したことがわかります。
例えば色彩の補色について。
彼は手に入れた技法がとてつもなく新しく、芸術家として名を残すことを完全に理解していました。
その独特の技法を使って、取り憑かれたように絵を描きまくりました。
1日に2枚仕上げることさえありました。
だからといって、まったく雑なところは見られません。
完璧に仕上がっているのです。
確かに精神の病を患いましたが、それは芸術に対する真面目さと、人間との付き合いの不器用さのためでしょう。
膨大な数の手紙が残っているおかげで、ゴッホという興味深い人間の内面を知ることができます。
印象的だったのが、ある投函されなかった手紙。
文面はペンでかき消されているのですが、女性研究家が根気よく解読します。
そこには、テオに対してもう少し高く売ってくれとお願いしているのです。
僕の描く絵には価値がある。
だから安値で売るより、売れないほうがマシだと書かれていたのです。
彼の心には高い芸術を量産できる喜びと、評価してくれない世間への恨みが同居していたのです。
そこに彼の人間としての魅力があるのです。
★★★★★
