・・・・・・・っということで、ある国にある独裁者がいました。
彼は、公的には行えないような汚い仕事を一手に引き受けさせる民間人を持っていました。
ところが彼は独裁者に歯向かうような行動をとったのです。
飼い犬に噛まれるようなものです。
独裁者にとっては絶対に許されない行為です。
問題だったのは、彼が国民の人気を得ていたことです。
スパイ上がりの独裁者の得意技は「毒殺」ですが、警戒している相手が不審死を遂げれば、彼の仕業だとバレてしまうので、この手は使えません。
残っている手は、「事故死」しかありません。
独裁者は相手に恩赦を与えて自由に泳がせ、事故死のチャンスを窺っていました。
さて、どんな事故死をさせるかが問題です。
交通事故だと確実に殺せません。
幸いなことに、ターゲットは自家用飛行機で動き回っていました。
ちょっと無警戒すぎますね。
本来なら、交戦国が撃墜したように見せかけたいのですが、戦闘空域に近づくはずがありません。
戦闘機を使って撃墜する手もありますが、証拠が残りやすいので、ここはやはり地対空ミサイルでしょう。
ミサイル発射の映像を民間人が撮影する可能性がありますが、そこは「敵のドローンと見誤った」と言い逃れができます。
最近、敵のドローン攻撃が続いていた(or自作自演?)のが好都合です。
かくして、裏切り者は消されてしまいました。
しかし、独裁者にとって心配の種が残りました。
それは、殺害した相手が強力な「私兵」を持っていたのです。
彼らによって独裁者が命を尾け狙われる可能性はあります。
でも、彼は考えました。
私兵たちはほとんど無力化したし、No.2も一緒に消したので、その心配はないか・・・と。
独裁者は世間が思っている以上に、計画的で理詰めな男なのです。